4. 「争族」にならないために今からできる備え
相続が「争族」になるのを回避するためには、生前の「準備」と「コミュニケーション」が大切です。
4.1 遺言書を作成する
遺言書というと大げさな印象をお持ちの方もいるかもしれません。
しかし、法的効力のある「遺言書」を作成することで、相続人同士の争いを防ぎやすくなります。
4.2 エンディングノートに財産や思いを記録しておく
遺言書を作成しなくとも、財産を一覧にしておくと相続手続きがスムーズに進められる可能性が高まるでしょう。
どこの金融機関に何をいくら預けているのか、保険の受取人や分割割合はいくらかといった資産に関するもののほか、葬儀に関することや家族へのメッセージを1冊のノートにまとめておくことができます。
4.3 日頃から相続人間のコミュニケーションを密に
たとえば「兄弟姉妹で平等に分ければいい」と思っていても、いざ相続が発生すると「平等に分けること」に違和感を抱く相続人が出てくることは珍しくありません。
妹は生前に金銭面で多くのサポートを受けていたのに…
兄は親(故人)が困っている時に一切のサポートをしなかったのに…
自分の思いを日頃から相続人全員に伝えておくことで、トラブルを避けやすくなるでしょう。
5. まとめ
相続トラブルは、遺産の価額が1000万円超5000万円以下の場合に最も発生しやすいことがわかりました。
争族になり問題がこじれると、解決までに長い時間を要し、相続人たちは何度も裁判所に足を運ばなければいけなくなる可能性も。
争族=資産家という印象をお持ちの方は多いかもしれません。しかし、資産家の方々は担当の税理士や銀行の担当者など、専門家からのアドバイスにより生前に準備をしているケースが多いため、トラブルを回避できていると考えられます。
このことからも「生前の準備」が大切であることがわかるでしょう。
参考資料
マネー編集部