2025年度の年金額は、2024年度と比べて増額されました。年金は、物価や賃金の動きにあわせて毎年見直される仕組みですが、「実際に自分の年金額にどう影響するのかわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

年金は、受け取りを早める「繰上げ受給」や、遅らせる「繰下げ受給」など、受け取り方を選べる制度もあります。選択肢が増えるなか、老後の生活を計画的に考えるためには、制度の基本をしっかり理解しておくことが大切です。

この記事では、年金の基本的な仕組みから、2025年度の年金額、繰上げ・繰下げのそれぞれの特徴や注意点まで、わかりやすく整理しています。

暑さで外に出るのがつらくなる7月だからこそ、自宅でゆっくりと年金についての情報を見直す良い機会です。将来の備えのために、ぜひ一度目を通してみてください。

1. 2025年度の年金額は3年度連続引き上げ!増額率は1.9%

2025年度の公的年金額は、3年連続引き上げられました。2025年度は前年度より1.9%の増額となっています。

1.1 2025年度の年金額の例

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1
  • 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2

※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

厚生年金は40年間「会社員として月額45万5000円(平均)を稼いだ夫」と「ずっと専業主婦もしくは自営業だった妻」の組み合わせをモデル世帯と想定。上記の年金額は、「夫の老齢厚生年金+夫婦2人分の老齢基礎年金」となります。

3年連続のプラス改定となった一方で、実は年金そのものは、実質目減りとなっているのです。