2. 65歳以上シニア世代、8割以上が「持家」に

2025年6月10日に内閣府が公表した「令和7年版高齢社会白書」によると、65歳以上シニア世代の住居形態は下記のとおり8割以上が「持家」であることが分かりました。

2.1 【持家】83%

  • 持家(一戸建て):79.8%
  • 持家(分譲マンション等の集合住宅)3.2%

2.2 【賃貸】10.7%

  • 賃貸住宅(民営のアパート、マンション):7.4%
  • 賃貸住宅(一戸建て):2.6%
  • 賃貸住宅(公営・公社・UR等の集合住宅):0.7%

年金生活を迎えるにあたって、自宅を売却して賃貸へ移る、あるいは家賃の安い物件へ引っ越すことを検討する人もいるでしょう。

こうした選択肢は家計の見直しにもつながりますが、一方で「高齢者は賃貸住宅を借りにくい」といった声も耳にします。では実際のところ、高齢者が賃貸住宅を借りるハードルはどの程度あるのでしょうか。

3. 高齢者は賃貸住宅を借りにくい?

賃貸人(大家など家を貸す側)は、高齢者の入居についてどのように感じているのでしょうか。

高齢者の入居に対する賃貸人(大家等)の意識

高齢者の入居に対する賃貸人(大家等)の意識

出所:内閣府「令和7年版高齢社会白書 第2節 高齢期の暮らしの動向 4 生活環境」 

【高齢者の入居に関する賃貸人(大家等)への調査結果】

  • 「拒否感はあるものの従前より弱くなっている」:44%
  • 「従前と変わらず拒否感が強い」:16%
  • 「従前より拒否感が強くなっている」:6%
  • 「従前と変わらず拒否感はない」:27%
  • 「従前は拒否感があったが現在はない」:7%

賃貸人の7割弱が拒否感をもっていることが分かります。

ただし、3割強は拒否感がないこと、4割程度が従前より拒否感が弱くなっていることから、高齢化社会を迎えるにあたり「高齢者は賃貸住宅を借りにくい」は薄れていくと期待したいものです。

最後に、シニア世代の生活の基盤となる公的年金の年金額がどのくらいかを見ておきましょう。