筆者はファイナンシャルアドバイザーとして、お金に関するご相談をお受けする機会が多くあります。
なかでも「将来どれくらい年金を受給できるのかわからない」「老後が不安」という悩みを抱えていらっしゃる方が多いようです。
今のシニア世代がどれくらい年金を受給しているのかを知ることで、老後の暮らしに向けた準備をする際の参考になるでしょう。
そこで本記事では、「厚生年金や国民年金」の最新年金額や受給額データをご紹介します。
1. 前年度より年金は1.9%増額するも、物価上昇率を下回る改定率に
公的年金は賃金や物価を考慮して、年度ごとに見直されています。
2025年度の年金額は、2024年度より1.9%増えました。
年金は3年連続のプラス改定となりました。
しかし「マクロ経済スライド(※)」の発動により物価上昇率を下回る改定率となっているため、実質的には年金額は目減りしています。
つまり、物価上昇に、年金額が追い付けていない状況にあります。
※マクロ経済スライドとは:「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ