1.1 生活保護を受けるための要件

生活保護は「生活が苦しい」と言えば誰でも受けられるものではなく、一定の要件を満たした世帯のみに支給されるものです。

主な要件について確認していきましょう。

【資産の活用】
以下のような資産がある場合は、売却するなどして資金化し、生活費に充てる必要があります。

  • 現金・預貯金
  • 生活に利用していない土地や建物など
  • 自動車、バイク(※)
  • 生命保険
  • 有価証券

※障害などがあり通院などで車が必要な場合や、ほかの交通手段がない場合などは所有を認められることがあります。

【能力の活用】
就労できる場合は、健康状態や年齢など能力に応じて働く必要があります。

【他の制度の活用】
生活保護以外の年金や手当金などが受け取れる場合は、それらが優先されます。

【扶養義務者の扶養】
扶養義務者からの援助が可能な場合も、それが優先されます。

1.2 生活保護には8つの種類がある

生活保護には、扶助内容により以下の8つの種類があります。

生活保護には8つの種類がある

生活保護には8つの種類がある

出所:厚生労働省「生活保護制度」 をもとに筆者作成

生活費が不足する場合は「生活扶助」が支給され、アパートなどの家賃支払いのためには「住宅扶助」が支給されます。

なお、医療費や介護費用がかかった場合は、直接医療機関や介護事業者に支払われるため、本人の支払いは生じません。

そのほかにも、該当する扶助項目があれば支援が受けられます。