3. 【リタイア済】年金生活を送る夫婦の家計収支

現役を引退すると、限られた年金収入でやりくりしていく必要があります。

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編2024年(令和6年)平均結果の概要」から、二人以上の「無職のシニア世帯」の平均的な家計収支を、世帯主の年齢階級別に見てみましょう。

3.1 65歳以上全体

  • 実収入:26万6329円
    • うち社会保障給付:21万1529円
  • 非消費支出:3万3232円
  • 消費支出:25万9295円
  • 赤字額・赤字率:2万6198円(11.2%)

3.2 65~69歳

  • 実収入:30万7741円
    • うち社会保障給付:21万6915円
  • 非消費支出:4万1405円
  • 消費支出:31万1281円
  • 赤字額・赤字率:4万4945円(16.9%)

3.3 70~74歳

  • 実収入:27万5420円
    • うち社会保障給付:21万7558円
  • 非消費支出:3万4824円
  • 消費支出:26万9015円
  • 赤字額・赤字率:2万8419円(11.8%)

3.4 75歳以上

  • 実収入:25万2506円
    • うち社会保障給付:20万7623円
  • 非消費支出:3万558円
  • 消費支出:24万2840円
  • 赤字額・赤字率:2万892円(9.4%)

実収入のうち「社会保障給付」は、主に公的年金です。また「非消費支出」とは、税金や社会保険料など、原則として自由にならない支出を、消費支出は「いわゆる生活費」を指します。

生活費や赤字率は、年齢階級(5歳刻み)が上がるごとに小さくなっています。ただし、医療費や介護費がかさんでいく可能性が高い点には留意が必要です。年金だけで足りない部分は貯蓄の取り崩しで対応する世帯もあるでしょう。

4. まとめにかえて

年金世代のお金事情について見ていきました。

年金生活になると、2ヶ月おきの収入でやりくりすることになります。あくまでも平均にはなりますが、リタイアした世帯の家計収支においては赤字となっており、慎重な家計管理が求められるでしょう。

これまで年金の見込額を確認したことがないという方は、ねんきんネットやねんきん定期便などでチェックしておくことが重要です。

参考資料

太田 彩子