シリーズでお伝えしている「個人投資家向けの株主優待研究」。株主優待制度は、株主は株式を発行している上場企業が提供している商品であったり、サービスの優待券であったりを手にすることができます。株式投資では値上がり益や配当が主な醍醐味ですが、それらに次いで株主優待も人気です。今回はJTの株主優待と株価動向について見ていきましょう。

JTの株主優待の概要

早速ですが、同社の株主優待の詳細を見ていきましょう。

JTは2018年11月に新たな株主優待制度を発表しています。今回はこれまでの株主優待制度を振り返りつつ、今後どのように変わっていくのかについて見ていきましょう。

これまでの(現行の)株主優待内容は以下の通りです。

対象株主

同社株式を100株以上保有する株主

株主優待確定日

  • 毎年6月末
  • 毎年12月末

株主優待内容

  • 同社グループ商品
  • 寄付制度

株主優待基準

  • 100株以上200株未満(Aコース):1000円相当の同社グループ商品または相当額の寄付
  • 200株以上1000株未満(Bコース):2000円相当の同社グループ商品または相当額の寄付
  • 1000株以上2000株未満(Cコース):3000円相当の同社グループ商品または相当額の寄付
  • 2000株以上(Dコース):6000円相当の同社グループ商品または相当額の寄付

新制度の株主優待は以下のようになります。

また、現行の株主優待制度は、2019年6月30日現在の株主名簿に記載または記録された株主への適用をもって終了。2019年12月31日現在の株主名簿に記載または記録された株主から、変更後の新制度の適用となります

対象株主

同社株式を100株以上保有する株主

株主優待確定日

毎年12月末(年1回に変更)

株主優待内容

  • 同社グループ商品
  • 寄付制度

株主優待基準

いずれのコースも継続保有期間が1年以上の場合に限ります。

  • 100株以上200株未満(Aコース):2500円相当の同社グループ商品または相当額の寄付
  • 200株以上1000株未満(Bコース):4500円相当の同社グループ商品または相当額の寄付
  • 1000株以上2000株未満(Cコース):7000円相当の同社グループ商品または相当額の寄付
  • 2000株以上(Dコース):1万3500円相当の同社グループ商品または相当額の寄付

そもそも株主優待とは何か

株主優待とは、「株主優待制度」とも呼ばれ、株主が何らかの特典を得られる制度のことを言います。

株主優待制度は日本の上場企業の中で広く実施されている制度です。発行体が提供するサービスや商品に関する優待内容、クオカードといった金券、または食料品などのケースもあります。日本の株主優待内容は多様性があり、世界でも稀な制度です。

ちなみに、日本の上場企業の株式に投資をしている投資信託を購入するのでは、個人投資家は株主優待の特典を享受することはできません。個別株式への投資が必要です。

株主優待だけではなく株価にも注意したい

株式投資をされている方で株主優待にだけに興味があるという人は少ないでしょう。

株主優待を受けるために必要なのは、その企業の株主になることです。そして、ひとたび株主になれば、その企業の株価が今後どうなるかが気にならない人はいないでしょう。

どんなに株主優待の内容が優れているからといって、自分が購入した時の株価と比べて今の株価が大きく下落したのでは意味がありません。株主優待をきっかけに株式に投資をしたという場合でも、その企業の業績と株価には注意したいものです。

過去1年の株価動向

最後に同社の株価動向をチェックしておきましょう。

同社の過去1年の株価を振り返ると、大きく株価が下落した1年であったといえるでしょう。1年前は3000円台後半で推移していた株価が、現在は2000円台後半となっています。

バリュエーションも会社予想のPERや実績値のPBRで見ても、今後面白そうな展開も期待させてくれそうな水準です。もっとも、加熱式タバコなどに代表されるようにテクノロジーにより喫煙も変わってくる可能性もあり、今後も同社から目が離せません。

賛否両論あるが税金はかからない株主優待

多くの投資家を惹きつけてやまない株主優待ですが、実は一部では批判もあります。長期で保有する株主からすれば、「短期で売買を繰り返す株主に優待を提供するのはいかがなものか」というものです。

株主優待は自社サービスや商品の一部に関連する内容を提供する企業も多いですが、現金同等物のような内容の企業もあります。これは発行体からすれば確実なキャッシュアウト(現金流出)となります。短期間しか株主でない投資家のために、なぜ費用をかけなければならないのかという観点です。

様々な議論のある株主優待制度ですが、ぜひ、皆さんも株主優待でお得なライフスタイルを確立されてみてはいかがでしょうか。

【補足】株主のメリットは株主優待だけではない

株主のメリットはここまで見てきたような株主優待内容だけではありません。株主の権利としてより中心なポイントとしては、配当を受ける権利であります。配当を出している企業であれば、年に2回、上期と通期決算のタイミングで配当が支払われますことがあります。

会社の業績が良ければ増配されることもありますし、投資先などがない場合も配当を増やす企業もあります。株主優待の内容もさることながら、投資先企業の業績内容を確認して、配当が増えていくのを期待するのもの株式投資の醍醐味です。

【注意点】株主優待を受けるために気を付けておきたいこと

株主優待を受けるためにはいわゆる「株主名簿」に株主として氏名が記載されていないといけません。「株主権利確定日」といわれる決算期末日に株主として記載されていなければなりません。

たとえば、決算期末日に売買をしたのでは、株主名簿に氏名が記載されません。株主権利確定日を含む4営業日前までに株式を購入する必要があります。

また、証券会社によっては単元未満株のサービスがありますが、株主になるためには最低の単元株式数を保有しておく必要があります。単元株とは、通常の株式の売買で取引される単位です。たとえば、100株というような単位となっています。銘柄ごとにご確認ください。

【ご参考】株主優待をはじめるにあたって必要なこと

証券会社を通じて株式を購入する必要があります。証券口座を開設するまでにはある程度時間が必要ですので、株主優待に興味のある方でまだ証券口座をお持ちでない方は前もって口座を開設しておくことをおすすめします。

余談ですが、株式投資をする際には、少額投資非課税制度である「NISA(ニーサ)」などを活用すれば非解税枠を利用することもでき、さらに「お得な株式投資」をすることができます。

【参考資料】

株・投信初心者必見!証券口座開設を検討の方へおススメ証券会社3選 [PR]

「老後資金の準備が心配」
「預貯金を運用して安全に何とかお金を増やしたい」
「うまくお金を運用して、悠々自適に暮らしてFIREしたい」

理由は様々ですが、株や投信で資産運用を始めたい!とお考えの方は多いと思います。

投資初心者だけど投資始めたい…でも不安…

  • 「人生で投資などしたことなどないし…」
  • 「口座開設が自分一人でできるか自信がない」
  • 「どこの金融機関で始めたらよいのかよくわからない」

こうした疑問をお持ちの方は多いと思います。
株式投資や投資信託を始める証券口座開設で迷ったら、どうすればよいでしょうか。

失敗しないコツは「実績があり、多くの投資家が始めている金融機関」を選択するのが安心です。
口座開設だけであれば無料なので、気になっているのであればぜひ口座開設から始めましょう。

今回は日本を代表する、投資初心者である個人投資家の間で人気の証券会社を3社ご紹介します。

楽天証券「今や新規開設No.1のネット証券」

ご存じ楽天グループの証券会社。
2021年の総合口座、NISA、iDeCoの新規口座開設はNo.1!
現在、日本で最も勢いのあるネット証券といえます。

楽天証券

SBI証券「日本のネット証券の価格リーダー」

今や日本を代表する証券会社となったSBI証券。 ネット証券の歴史を見れば取引手数料引き下げの最大の功労者。
個人投資家の味方です。
SBI証券に口座を持っていれば様々な環境の変化があっても取引手数料では安心感あり。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

マネックス証券「銘柄探しができる機能が使える」

ゴールドマン・サックス証券出身の松本大氏が創業。
有力な銘柄を検索できる「銘柄スカウター」が無料で使える!
米国株の品ぞろえは豊富。

株・投資信託ならネット証券のマネックス

株や投信で投資を始めるなら早いほうがいい

ネット証券の比較いかがでしたでしょうか。

「たった3社の選択肢でも決められない!」という方もいるかもしれません。

いずれにせよ、思い立ったが吉日!
まだ証券口座を開設していないという方はこの機会に口座開設から始めてはいかがでしょうか。
口座開設は無料です。

参考プレスリリース

  • 楽天証券「楽天証券、NISA・iDeCo 2021年新規口座開設が業界最多に!」2022年3月30日

制作:NP・UX推進室

青山 諭志