3. 個人向け国債を購入する際の注意点
金利面での魅力が高まっている個人向け国債ですが、注意点も。これからご紹介する注意点を理解した上で、購入を検討しましょう。
3.1 最低保有期間は1年間
発行から1年間は中途換金できません。
3.2 中途換金には調整金がかかる
個人向け国債は、1年経過後に換金(中途換金)が可能です。ただし、中途換金時に直近2回分の利子相当額の一部(税引前利子×0.79685×2)を差し引かれます。
3.3 購入は指定の金融機関で
個人向け国債は、銀行や証券会社などの金融機関で購入できます。ネット銀行では取り扱いがない場合もありますので、取引金融機関にて確認しましょう。
3.4 インフレリスクには対応しにくい
変動金利タイプは文字通り金利が変動しますが、上昇幅は限定的。物価上昇(インフレ)に追いつかない可能性がある点には留意しておきましょう。
3.5 元本保証だが信用リスクは「ゼロ」ではない
個人向け国債は、国が元本と利子を保証しています。しかし、理論上、「日本の財政破綻リスク」がゼロとは言い切れないため、「個人向け国債=リスクゼロ」ではないと理解しておきましょう。
4. まとめ
メガバンクの定期預金と比べ、金利的な魅力が高い個人向け国債。
固定金利は、受け取れる利子が購入時に確定する点が安心です。変動金利は、金利上昇が見込まれるタイミングで検討すると良いでしょう。
個人向け国債を購入する際の注意点も理解したうえで、金利タイプやそもそも個人向け国債で良いのかを検討してみてください。
参考資料
マネー編集部
執筆者
私たちは、保険会社・大手銀行・証券会社など金融機関での勤務経験を有したメンバーで構成する、株式会社モニクルリサーチ運営の『LIMO(リーモ)〜くらしとお金の経済メディア〜』のマネー編集部です。
日本生命保険相互会社出身の村岸理美・三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子・株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵・SMBC日興証券株式会社出身の安達さやかなどを中心としたメンバーで構成。それぞれが大手金融機関にて主にリテール・法人・富裕層向けの資産にまつわるアドバイス業務を経験。主に国内外株式の仲介、国内外の債券、投資信託、生命保険の販売業務に従事し、トップセールスで多数の表彰歴を持つ人や、研修講師として年間100回超の登壇経験を持つ元研修講師なども在籍。
専門性の高いテーマで年間8000本以上の企画・執筆・編集・監修の実績があり、特に以下の分野を中心に、厚生労働省・金融庁・総務省などの官公庁の一次情報をベースに記事を企画・執筆・編集している。
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公的年金制度(厚生年金保険・国民年金)、社会保障制度、相続・贈与・退職金、NISA・iDeCoなどの税制優遇制度、資産運用・資産形成・保険など
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