数年前に取り上げられた「老後2000万円問題」以来、シニア層の多くが老後の資金不足に不安を感じています。
最近では物価上昇や年金の低下が影響し、2000万円では不十分との声が多く、さらには「老後4000万円問題」や「老後5000万円問題」が新たな課題として浮上しています。
こうした背景の中で、老後資金の準備方法や資産運用の重要性がより一層注目されていますが、シニア世代はどのように老後資金を準備しているのでしょうか。
本記事では、老後資金に関するシニアの実態調査や、老後生活を迎えている年代である70歳代の貯蓄事情について紹介しています。
老後資金の準備として活用したい資産運用制度についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。
1. 貯蓄額1000万円超のシニアでも約3割が「貯蓄できていない」と実感
株式会社Wizleapは、40〜69歳の男女300名を対象に、老後資金についてのシニアアンケート調査を実施しています。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査名:シニアの日アンケート
- 調査期間:4月15日〜4月18日
- 調査対象:40歳~69歳
- 性別:男女
- 調査人数:300人
- 調査方法:インターネット調査
- 調査主体:株式会社Wizleap
- リリース公開日:2025年5月1日
上記調査によると、「老後資金の貯蓄状況についてどう感じていますか」という問いに対し、「貯蓄ができていない」と答えた人が全体の53.7%にのぼりました。
この結果から、すでに老後に差しかかっている、あるいは老後を迎えた世代のシニア層においても、現在の備えに対する満足感が十分ではないことが見て取れます。
実際に「このままでは安心して老後を迎えられない」「今後も十分に貯めていける自信がない」といった将来への不安や焦りの声も多く見られました。
さらに同調査において、貯蓄額が1000万円を超えている人の中にも約3割が「貯蓄できていない」と感じていることがわかりました。
これは、数年前から注目を集めている「老後2000万円問題」をきっかけに、老後資金に対する関心が高まった結果とも言え、必要額とのギャップに不安を感じる人が増加していることを示唆しています。
では、老後を迎えている「70歳代」の実際の貯蓄事情はどのようになっているのでしょうか。
次章では、50歳代・60歳代の平均貯蓄額と比較しながら、70歳代の貯蓄事情について見ていきましょう。