日本年金機構は2025年6月12日、公式Xにて「年金を受け取っている皆さまへ」と呼びかけを行い、年金振込通知書について解説しました。
年金振込通知書とは、年金の額面だけでなく天引きされるお金や手取り額まで詳細に確認できる書類で、毎年6月に送付されます。
また、ねんきんネットを活用すれば電子版で確認することもできます。
給与と同様に、額面と手取りが異なる年金収入ですから、「振り込まれるお金」もしっかり押さえておきましょう。
記事の後半では厚生年金と国民年金の平均的な受給額もご紹介します。
1. 【年金振込通知書】今年は6月11日までに発送済み
今年は6月4日(水曜)から6月11日(水曜)にかけて、日本年金機構から年金振込通知書が発送されました。
いくつか種類がありますが、記載事項の一例を見ていきましょう。
1.1 (1)年金支払額
1回に支払われる年金額(控除前)
1.2 (2)介護保険料額
年金から天引きされる介護保険料額
1.3 (3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)
※特別徴収される場合に記載される
年金から天引きされる「後期高齢者医療保険料」または「国民健康保険料(税)」
1.4 (4)所得税額および復興特別所得税額
年金支払額から社会保険料(※1)と各種控除額(※2)を差し引いた後の額に5.105%の税率をかけた額
※1 社会保険料:社会保険料とは、特別徴収された介護保険料、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)の合計額
※2 各種控除額:扶養控除や障害者控除など
1.5 (5)個人住民税額および森林環境税額
年金から特別徴収(天引き)される個人住民税額および森林環境税額
1.6 (6)控除後振込額
年金支払額から社会保険料、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額および森林環境税額を差し引いた後の振込金額
1.7 (7)振込先
年金が振り込まれる金融機関の支店名(※営業所、出張所などを含む)
1.8 (8)前回支払額
令和3年10月から、年金振込通知書に前回の定期支払月に支払った金額
※年金振込通知書には、年金額改定通知書と一体化になったものや年金生活者支援給付金受給者用などいくつか種類があるため、全ての人が上記の記載事項になるわけではありません。
日本年金機構は公式Xでも年金振込通知書について紹介し、「ぜひご利用下さい。」と呼びかけています。
【年金を受け取っている皆さまへ】年金振込額や受取金融機関に変更があった場合に、年金振込通知書を送付しています。 #ねんきんネット では年金振込通知書を電子版で確認、保存ができますので、ぜひご利用ください。https://t.co/WrFfq6ZGfZ pic.twitter.com/QPF2DAFlnp
— 日本年金機構 (@Nenkin_Kikou) June 12, 202
2. ねんきんネットでも確認可能
年金振込通知書は、ねんきんネットで電子版を確認することもできます。
そのほか、
- 年金支払通知書
- 年金額改定通知書
- 年金決定通知書・支給額変更通知書
- 公的年金等の源泉徴収票
- 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書
などをダウンロードすることもできます。
年金からは「税金」や「社会保険料」などが天引きされ、最終的に振り込まれる金額は額面と異なることがわかりました。
見込額を把握している方も多いと思いますが、天引きされるお金も見込んで将来の計画を立てておきましょう。
最後に、厚生年金と国民年金の平均受給額をご紹介します。
3. 「厚生年金と国民年金」平均年金月額はいくら?ボリュームゾーンに注目
ここからは厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金と国民年金の平均年金月額を紹介します。
3.1 「厚生年金」の平均年金月額はいくら?
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
年金月額階級ごとの受給権者数
- 1万円未満:4万4420人
- 1万円以上~2万円未満:1万4367人
- 2万円以上~3万円未満:5万231人
- 3万円以上~4万円未満:9万2746人
- 4万円以上~5万円未満:9万8464人
- 5万円以上~6万円未満:13万6190人
- 6万円以上~7万円未満:37万5940人
- 7万円以上~8万円未満:63万7624人
- 8万円以上~9万円未満:87万3828人
- 9万円以上~10万円未満:107万9767人
- 10万円以上~11万円未満:112万6181人
- 11万円以上~12万円未満:105万4333人
- 12万円以上~13万円未満:95万7855人
- 13万円以上~14万円未満:92万3629人
- 14万円以上~15万円未満:94万5907人
- 15万円以上~16万円未満:98万6257人
- 16万円以上~17万円未満:102万6399人
- 17万円以上~18万円未満:105万3851人
- 18万円以上~19万円未満:102万2699人
- 19万円以上~20万円未満:93万6884人
- 20万円以上~21万円未満:80万1770人
- 21万円以上~22万円未満:62万6732人
- 22万円以上~23万円未満:43万6137人
- 23万円以上~24万円未満:28万6572人
- 24万円以上~25万円未満:18万9132人
- 25万円以上~26万円未満:11万9942人
- 26万円以上~27万円未満:7万1648人
- 27万円以上~28万円未満:4万268人
- 28万円以上~29万円未満:2万1012人
- 29万円以上~30万円未満:9652人
- 30万円以上~:1万4292人
厚生年金の平均月額は全体で14万6429円ですが、男性は16万6606円、女性は10万7200円と差があります。
また、「平均並みの年金を受け取っている人が多い」というわけでもありません。
月額15万円以上の年金を受け取っている割合は47.6%のみです。
ボリュームゾーンをみると「9万~12万円未満」「16万~19万円未満」がそれぞれ100万人超となりました。
3.2 「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額はいくら?
続いて、国民年金は以下の通りです。
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
年金月額階級ごとの受給者数
- 1万円未満:5万8811人
- 1万円以上~2万円未満:24万5852人
- 2万円以上~3万円未満:78万8047人
- 3万円以上~4万円未満:236万5373人
- 4万円以上~5万円未満:431万5062人
- 5万円以上~6万円未満:743万2768人
- 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
- 7万円以上~:227万3098人
国民年金の場合、全体、男女ともに平均月額は5万円台です。
ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」となっており、満額に近い金額を受け取っている人が多いことがわかります。
年金制度は2階建て構造となっており、第1号被保険者と第3号被保険者は国民年金のみの受給となります。
老後、年金だけで足りないことが考えられるので、独自の備えをしている方も多いでしょう。
4. まとめにかえて
6月13日は、2025年度分の最初の年金支給日でした。
1.9%の増額とあり、振込を楽しみにしていたシニアも多いでしょう。
ただし、年金には天引きされるお金があるため、振込額が一致しているとは限りません。
どんなお金が引かれているのかについて、年金振込通知書等でしっかり確認しておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「「年金額改定通知書」と「年金振込通知書」(年金受給者用:はがきサイズ)」
- 日本年金機構公式X
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「「ねんきんネット」の概要」
太田 彩子