2025年6月13日、私たちの老後に関わる「年金制度改正法」が参議院本会議で可決、成立しました。

今回の法改正は、現役世代の保険料負担や将来の給付水準に影響する可能性があり、多くの方にとって老後の生活設計を見直す重要な動きと言えるでしょう。

この大きな変化を受け、「自分の年金は将来どうなるのか?」「一体いくら受け取れるのか?」といった不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、今回の年金改革の内容を整理してお伝え。続いて、公的年金の基本的な仕組みから、誰もが気になるシニア世代の受給額事情まで分かりやすく解説します。

1. ”106万円の壁”撤廃だけじゃない!「2025年 年金制度改正」ポイントを整理!

2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が参議院本会議で可決され、法律として成立しました。

この改正は多様化する働き方や家族構成、ライフスタイルを踏まえた年金制度を目指すものです。また、私的年金制度の拡充や所得再分配の強化などによって、シニアの暮らしの安定に繋げることなども大切な狙いです。

今回の改正の全体像を見ておきましょう。

1.1 主な改正内容

社会保険の加入対象の拡大

  • 中小企業において短時間で働く人などが、厚生年金や健康保険に加入し、年金増額などのメリットを受けられるようにする

在職老齢年金の見直し

  • 年金を受け取りながら働くシニアが、年金を減額されにくくなり、より多く働けるようにする

遺族年金の見直し

  • 遺族年金の男女差を解消。子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする

保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

  • 月収が一定以上となる人が、賃金に応じた年金保険料を負担し、現役時代の賃金に見合った年金を受給しやすくする

その他の見直し

  • 子どもの加算などの見直し、脱退一時金の見直し
  • 私的年金の見直し:iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)加入年齢の上限引き上げなど

上記の改正内容からも、公的年金は「老後の受給額」だけの話ではなく、現役世代の働き方やキャリアプラン、人生設計とも深い関わりを持つことが分かります。