物価高騰が家計を圧迫し、とくに年金生活を送る世帯の暮らしは厳しさを増しています。
そんな中、意外に知られていない支援制度が「年金生活者支援給付金」です。
この給付金は、公的年金等の収入やその他の所得が一定基準以下の人を対象に、年金に上乗せして支給されるものです。
「老齢、障害、遺族」の各年金ごとに給付金が設けられていますが、「自動で振り込まれる」お金ではありません。受け取るためには申請手続きが必要です。
今回は、この年金生活者支援給付金について、支給額、具体的な支給要件、さらに確実に受給するための申請手続き方法について整理してお伝えします。
1. 年金生活者支援給付金とは?支給額はいくら?
公的年金と同様に毎年度、物価変動に応じて給付額の見直しが行われており、2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年より2.7%引き上げとなりました。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。保険料納付済期間が40年間(480ヵ月)に満たない場合、その分が差し引かれて支給されることに留意しておきましょう。
しかし、年金生活者支援給付金を受け取るには、いくつかの条件を満たす必要があります。