2. 2025年度の年金額「マクロ経済スライド」による調整がされている
公的年金額は、物価変動率や名目手取り賃金変動率に応じて、年度ごとに改定がおこなわれます。
モノやサービスの価格や、現役世代の賃金の動向を考慮しながら、年金額も調整されるのです。
2025年度の年金額改定に用いられた物価変動率(※1)は2.7%、名目手取り賃金変動率(※2)は2.3%。
そしてマクロ経済スライドによる調整(※3)で▲0.4%が加わった結果、今回の改定率となりました。
※1 物価変動率は2024(令和6年)の値
※2 名目手取り賃金変動率とは、2年度前から4年度前までの3年度平均の実質賃金変動率に前年の物価変動率と3年度前の可処分所得割合変化率(0.0%)を乗じたもの
※3 マクロ経済スライドとは、公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するもの
次では、今のシニア世代が実際に受け取っている年金額についても見てみましょう。
3. 【国民年金・厚生年金】平均月額はいくら?(全体・男性・女性)
厚生労働省年金局が公表する「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金と厚生年金の平均年金月額を見ていきます。
3.1 国民年金(老齢基礎年金)「みんな平均いくらもらっているのか」
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
3.2 厚生年金「みんな平均いくらもらっているのか」
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金の金額を含む
平均年金月額は、国民年金のみを受け取る場合は5万円台、厚生年金を上乗せで受給できる場合は14万円台です。
ただし厚生年金の平均年金月額には約6万円の男女差があります。
この差は、厚生年金受給額が現役時代の賃金と年金加入期間に基づくためです。
上限額はあるものの、収入が多いほど現役時代の年金保険料も高く、老後の受給額も増えます。
年金加入状況や将来の年金見込み額は、ねんきんネットやねんきん定期便で確認しておきましょう。