「老後に向けてお金を貯めたいけれど、実際どれくらい必要なのか分からない」という悩みを抱える方は少なくありません。そんな中で、老後資金の一つの目安としてよく言われるのが「2000万円」という金額です。

この記事では、毎月5万円を15年間積み立てて運用した場合、利回りによってどのくらい結果が変わるのかをシミュレーションしています。また、「15年で2000万円を目指すには、毎月いくら積み立てればいいのか?」という視点でも試算しています。

2024年から刷新された新NISA制度についても触れており、無理のない資産づくりのイメージをつかみやすくなる内容です。これから投資を始めたい方や、老後資金の目標を見直したい方にも参考になるはずです。

1. 【2024年改正】今さら聞けない「新NISA」とは?

2024年1月から制度が見直され、「新NISA」がスタートしました。

「NISA(少額投資非課税制度)」は、その名の通り少額から始められる投資制度で、運用益に税金がかからないという大きなメリットがあります。

本来、投資によって得た利益には20.315%の税金がかかりますが、新NISAを活用することで、その税負担がゼロになるのが特徴です。

新NISA「非課税」のしくみ1/7

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

新NISAでは、これまでと大きく異なる点として、「非課税で保有できる期間が無期限になった」ことが挙げられます。

これにより、より長期的な資産形成において、税制面での恩恵が一層大きくなりました。

次章では、この新NISAの主な変更内容について、詳しく確認していきましょう。

1.1 新NISAの主な「変更点」を確認しよう!

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴2/7

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  • 非課税保有期間は無期限
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用OK
  • 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  • 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  • つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  • 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が設けられており、年間の投資上限額はそれぞれ120万円と240万円に設定されています。

また、非課税で保有できる期間は無期限となり、より柔軟な長期運用が可能になりました。

このうち、つみたて投資枠は特に投資初心者に適しているとされており、毎月一定額を積み立てていくスタイルが基本となります。

では、こうした積立方式で地道に資金を運用していった場合、最終的にはどの程度の資産形成が見込めるのでしょうか。

2. 【利回り別】15年間「毎月5万円の積立投資」でいくらになる?

本章では、以下の前提条件に基づき、想定利回りを1%から5%までの範囲で設定し、新NISAのつみたて投資によって将来的にどれほどの資産を形成できるのかをシミュレーションしてみます。

  • 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
  • 積立額は毎月5万円
  • 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果3/7

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

2.1 【試算結果】15年間「毎月5万円」積立投資でいくらになった?

新NISAで資産形成4/7

新NISAで資産形成

出所:Yusuke Ide/istockphoto.com

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

15年間にわたり毎月5万円ずつ積み立てると、元本は合計で900万円になります。

この資金を投資に回すことで、一定の運用益が期待できる可能性があります。

しかし、預金とは異なり、投資には値動きがあるため「増える可能性」がある一方で、「元本割れのリスク」も常に存在します。

年利5%のリターンを見込む場合でも、それに見合う5%前後の損失が生じる可能性もあるため、リスクとリターンのバランスについて正しく理解しておくことが欠かせません。

3. 【積立額別】15年間で「2000万円」を達成したい場合は?

続いて、「15年間で2000万円を目指すには、毎月どれくらい積み立てる必要があるのか」についてシミュレーションしてみましょう。

なお、ここでは「年利3%の投資信託に投資する」ことを前提としています。

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果5/7

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

3.1 【試算結果】15年間×3%の積立投資でいくらになった?

積立投資のポイントは時間を味方につけて「複利の効果」を得ること6/7

積立投資のポイントは時間を味方につけて「複利の効果」を得ること

出所:William Potter/shutterstock.com

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

年利3%で15年間運用した場合、毎月6万円を積み立てても、最終的な資産額は約1361万8000円となります。

一方で、毎月9万円を積み立てると、目標としていた2000万円を上回る金額に達します。

ただし、9万円という積立額は決して負担が軽いとはいえず、現実的に難しいと感じる人もいるでしょう。

さらに、利回りが想定どおり3%で推移するとは限らず、運用成果によっては2000万円に届かない可能性も考慮する必要があります。

そのため、老後資金の準備を計画的に進めるには、早いうちから積立を始めることが大切です。

たとえば、30歳から65歳までの35年間を運用期間とした場合、月々2万6971円を積み立て、年利3%で運用すれば2000万円を達成することが可能になります。

このように、長期で積み立てを行うことで、運用益を再び投資に回す「複利効果」がより大きく働くため、資産形成を着実に進めたい方にとっては、できるだけ長い期間をかけて投資を行うことが重要なポイントとなるでしょう。

4. NISAを活用して、効率よく将来の資産づくりを始めよう

少額投資非課税制度の「新NISA」で将来に向けた資産形成7/7

少額投資非課税制度の「新NISA」で将来に向けた資産形成

出所:umaruchan4678/shutterstock.com

NISA制度を活用すれば、税金の優遇を受けながら資産運用ができるため、将来のためのお金を効率よく増やすことが期待できます。

ただし、NISAは元本が保証されているわけではありません。始める前に、基本的な仕組みや知識をしっかり身につけておくことが大切です。

運用する商品によってリスクの大きさは異なります。年齢やライフプランに合わせて、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

計画的に資金を貯めていくために、まずは最初のステップとして商品の仕組みやリスクについて学んでいくところから始めてみてください。

参考資料