最近「国の障害年金を申請して不支給とされた人が2024年度に急増した」という報道が広がり、障害者支援制度への関心が高まっています。障害年金と障害者手帳は別の制度ですが、混同している人もいるようです。これらは目的や基準など異なるものです。今回は厚生労働省の調査をもとに、3種類ある障害者手帳の概要と、療育手帳の所持者の現状、そして自治体によって申請方法などが変わることも解説していきます。
1. 「障害者手帳は3種類ある」それぞれの違いとは?
障害者手帳とは、一般的に「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3種類のことをいいます。制度の根拠となる法律等はそれぞれ異なりますが、どの手帳を持っていても「障害者総合支援法」の対象となり、さまざまな支援を受けることができます。また、自治体や民間企業などが独自に提供しているサービスが利用できる場合もあります。
1.1 身体障害者手帳
身体障害者手帳は、視覚や聴覚、手足など身体の機能に一定以上の障がいがあると認められた人に交付されます。
交付には指定医師の診断書・意見書などが必要になります。
原則として更新は不要ですが、障害の状態に変化がある場合は再認定を受けることがあります。
この制度は「身体障害者福祉法」に基づき、都道府県・指定都市・中核市が交付業務を担っています。
1.2 療育手帳
療育手帳は、児童相談所や知的障害者更生相談所で知的障害と判定された人に交付されます。
手帳を持っていることで、障害福祉サービスや自治体・民間の支援を受けることができます。
この療育手帳制度は自治体ごとで、運用方法や判定基準が定められています。
1.3 精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害があると認められた人に交付されます。
手帳を持っている方々には、社会参加の促進等を図るために様々な支援を受けることができます。
精神障害者保健福祉手帳には1級から3級までありますが、精神疾患の状態と能力障害の状態の両面から総合的に判断して等級が決まります。
障害者手帳の所持者は、どのくらいいるのでしょうか?
今回は「療育手帳」の所持者について解説していきます。