1.2 「貯蓄ゼロ」世帯は全体の20.8%

70歳代夫婦世帯のうち、「貯蓄ゼロ」世帯は20.8%を占めており、およそ5世帯に1世帯が該当することになります。

不動産収入など年金以外の収入があれば良いですが、ない場合は医療費や介護費などまとまった出費が必要になったときの費用が不足する可能性があるため、働ける状態であれば勤労収入を得ることも考える必要があるでしょう。

70歳代夫婦世帯の平均貯蓄額は1923万円という結果ですが、実際には世帯により貯蓄額に大きな差があります。

下表は、金融資産保有額ごとの世帯割合を示したものです。

「70歳代夫婦世帯」金融資産保有額ごとの世帯割合

「70歳代夫婦世帯」金融資産保有額ごとの世帯割合

出所:J-FLEC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとに筆者作成

「金融資産なし」が20.8%、「100万円未満」が5.4%、「100〜200万円未満」が4.9%と、貯蓄が少額ない世帯が3割強を占めています。

一方、「1500~2000万円未満」が6.6%、「2000~3000万円未満」が8.9%、「3000万円以上」が19.0%と高額な貯蓄のある世帯も多く、貯蓄額の少ない世帯と高い世帯との差が大きくなっていることがわかります。

貯蓄額が少ないと、年金だけで生活費をまかなえない場合に、貯蓄でカバーすることが難しいです。

では、現在のシニア世代は年金をいくら受給しているのでしょうか。次章で確認していきましょう。