老後の生活費について、漠然とした不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。厚生労働省の資料によると、約6割の高齢者世帯が「生活が苦しい」と感じているのが現実です。

年金だけでは生活が困難な方が知っておくべき制度が、「年金生活者支援給付金」です。所得の少ない年金受給者に月額最大6813円が上乗せされる、意外と知られていない給付制度です。

今回は、年金生活者支援給付金の支給額や、高齢期の経済的不安を軽減するための具体的な方法などを解説します。

1. 年金生活者支援給付金の対象者は?受給条件と金額をわかりやすく解説

​年金生活者支援給付金は、所得が一定基準以下の年金受給者に支給される給付金です。年金の上乗せとして、年金と同じタイミングで支給されます。

「老齢」「障害」「遺族」の3種類があり、2025年度における給付額は以下のとおりです。

  • 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円(基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額を計算する)
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

2. 高齢者の約6割が「生活に余裕なし」と回答…老後の家計事情とは?

厚生労働省の「2023年調査 国民生活基礎調査」によると、約6割の高齢者世帯が、普段の生活について「大変苦しい」または「やや苦しい」と回答しています。

つまり、多くの高齢者世帯は生活にゆとりを感じられておらず、多かれ少なかれ苦しさを感じていることがわかります。

3. 年金だけじゃ足りない?生活が厳しいなら「長く働く選択肢」も

年金だけで生活できない場合でも、できるだけ長く働き、収入を得ることで生活の安定を図れます。心身ともに健康であれば、できるだけ長く働くことを意識しましょう。

実際に、少子高齢化の進展や生産労働人口の減少に伴って、働く高齢者の方が増えています。総務省の資料によると、2023年における60歳以上の就業率は以下のとおりです。

  • 60〜64歳:74.0%
  • 65〜69歳:52.0%
  • 70〜74歳:34.0%
  • 75歳以上:11.4%

少子化の影響もあり、昨今は多くの企業が人手不足で苦しんでいます。一般的に高齢になるほど再就職は難しくなりますが、短時間勤務で65歳以上の人材を雇用する企業も少なくありません。

ハローワークの中には、65歳以上の方の就職を支援する専門コーナーを設けているところがあります。公的機関のサポートを受けながら、無理なく働けるシニア向けの求人を探してみましょう。

4. まとめ:年金生活者支援給付金や就労も選択肢に。老後の安心のためにできること

​年金生活者支援給付金は、経済的に厳しい年金受給者にとって貴重な収入源です。しかし、年金と​年金生活者支援給付金だけに頼るのは現実的ではありません。

約6割の高齢者が生活の苦しさを感じている現状を踏まえると、できるだけ長く働き続けることが、老後不安を軽減する効果的な対策となります。60歳以上の就業率が年々上昇しており、企業の人手不足も追い風となって、シニア向けの雇用機会は拡大傾向です。

ハローワークの専門支援を活用すれば、自分の体力や健康状態に合わせた働き方を見つけられる可能性があります。年金制度への理解を深めつつ、就労継続を軸とした現実的な老後設計を考えてみましょう。

参考資料

柴田 充輝