2025年5月から6月にかけて、日経平均株価は3万8000円台でのもみ合いが続いており、市場では慎重な見方が広がっています。

投資にはリスクが伴い、相場が激しく動く局面では判断で迷ってしまうこともあるでしょう。このようなとき、冷静な判断をするうえで役立つのが、先人が残した格言です。

株価は経済的な理論通りに動くわけではなく、市場参加者の心理が大きく影響します。投資をする際に知っておくべき格言を5つ厳選して紹介するため、参考にしてみてください。

1. 投資をするときに役立つ格言5選

投資に関する格言はいくつもありますが、投資家の方にとって有益な格言を厳選して紹介します。

1.1 卵は一つのかごに盛るな

「卵は一つのかごに盛るな」とは、投資におけるリスク分散の重要性を表す格言です。「一つの投資先に全財産を集中させてはいけない」という意味があります。

一つのかごに全ての卵を入れる(集中投資をする)と、かごを落としたときに全部の卵が割れてしまいます。しかし、複数のかごに分けて入れておけば(分散投資をする)、一つのかごを落としても他の卵は無事です。

「卵は一つのかごに盛るな」1/3

「卵は一つのかごに盛るな」

出所:日本証券業協会「投資のはじめ方」

分散投資の具体的な実践方法は、以下のとおりです。

  • 複数の会社に投資する、異なる業界に投資する
  • 株式・債券・不動産など異なる資産に投資する
  • 投資先を国内・海外に分散する
  • 時期を分散する(積立投資)

このように、リスクを分散することで大きな損失を避けながら、安定した資産形成が可能になります。「リスクを減らしながら、着実に資産を増やす」ための基本原則ともいえるでしょう。

1.2 売るべし 買うべし 休むべし

「売るべし 買うべし 休むべし」とは、売ったり買ったりするだけでなく、休むことの大切さを説く格言です。「命金には手をつけるな」という格言と似た意味を持ちます。

売買するだけでなく、「市場に居続ける(投資をしたあと、じっとしている)」ことも投資の一つです。無理な取引をすると損失を拡大させることもあるため、迷ったときは休むことも立派な投資戦略です。

また、「命金には手をつけるな」とは、生活に必要なお金は投資に使ってはいけないことを意味します。

投資をする際には、生活防衛資金として日々の生活に必要なお金や近い将来に使う予定があるお金は、「命金」として明確に分ける必要があります。

命金で投資すると、損失が出たときに生活が困窮したり、不安から冷静な判断ができなくなったりします。資産を増やすどころか、かえって大きな損失を招くことが多いため、生活に支障がない範囲で行うことが鉄則です。

1.3 人の行く裏に道あり花の山

「人の行く裏に道あり花の山」とは、他人とは反対のことをやったほうがうまくいく場合が多いことを指す格言です。

株価が大きく変動する局面において、「不安だから売ってしまおう」と考える投資家は少なくありません。行動経済学には、集団と同じ行動を取ろうとする「ハーディング行動」という言葉があります。周りの投資家が株を売っていると、自分もつられて売ってしまう行動は、まさしくハーディング行動に当てはまります。

しかし、投資に限らず、何事も人並みにやっていると人並みの結果しか得られないのも事実です。株式相場は、上昇し続けたり下落し続けたりすることはないため、多くの投資家が売っている状況は「安く仕込めるチャンス」といえます。

今後、株式相場が大きく下落する局面に直面したら、この格言を思い出してみてください。

1.4 遠くのものは避けよ

「遠くのものは避けよ」とは、自分が知らないモノやサービスを販売している企業ではなく、よく知っているモノやサービスを販売している企業を買うほうがよい、ということを意味する格言です。

普段の仕事や日常生活でよく目にするモノやサービスは、多少なりとも他の投資家よりも知識を有しているはずです。

たとえば、日常的に使っている商品のメーカー(食品・日用品・化粧品など)があれば、商品の品質変化や新商品の市場反応などを消費者として実感できます。「成長性が高い」「競争力が高い」と肌感覚で評価できる場合、立派な投資対象になり得るでしょう。

1.5 もうはまだなり まだはもうなり

「もうはまだなり まだはもうなり」とは、「もう底だと思えるようなときは、まだ下値があるのではないかと疑う」「まだ下がるのではないかと思うときは、もう底かもしれないと疑う」ことを指す格言です。

株式投資で多くの投資家が悩むのが、買いと売りのタイミングです。未来は誰にもわからない以上、下落局面で「もっと下がるのではないか」「そろそろ買ったほうがよいのではないか」と迷ったことがある方もいるでしょう。

投資家の心理と相場の行き違いは、頻繁に起こります。自分だけの独善的な判断で投資をするのではなく、広い視野を持って投資判断を下すことが大切です。

2. まとめにかえて

投資の格言は、先人たちが長年の経験から学んだ貴重な教訓です。格言を知ることで投資の本質を理解でき、またパニックに陥る事態を防げます。

相場が急騰しているときや急落時の恐怖で冷静さを失いそうになったとき、「遠くのものは避けよ」「卵は一つのかごに盛るな」といった格言が適切な判断を促してくれるでしょう。

参考資料