6月は年金支給月とあって、年金額に関心が寄せられています。

特に6月13日からは「2025年度分」の年金支給が開始されるため、変化が気になる方もいるでしょう。

今年度分の年金額は「年金振込通知書」にて確認できます。日本年金機構によると、原則として6月4日(水曜)から6月11日(水曜)にかけて順次発送されているところです。

本記事では、

  • 年金制度のしくみ図
  • 「年金振込通知書」の見方
  • 厚生年金と国民年金の平均受給額
  • 厚生年金と国民年金を「年間240万円以上」受け取っている人の割合

にわけて解説します。年金額の実態が気になるという方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 公的年金制度を「しくみ図」で解説

年金制度はなんとなく複雑な印象があるかもしれませんが、以下のしくみ図をイメージするとわかりやすくなります。

日本の公的年金制度は「2階建て」

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

このうち、1階部分に位置するのが国民年金。基礎年金と呼ばれることもあります。

加入対象は日本に住む20歳以上から60歳未満の全ての人で、年金保険料は全員一律(※1)です。

加入して受給資格を満たせば、将来は基礎年金が受け取れます。このうち老後の年金は老齢年金となり、保険料を40年間欠かさず納めれば満額(※2)の老齢基礎年金が受け取れます。

※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円

そして、2階部分に位置するのが厚生年金です。

加入対象は会社員や公務員、パート・アルバイトで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たした人など、第2号被保険者となります。

年金保険料は収入に応じて決まり(※4)、給与からの天引きで納付します。

老後の年金として老齢厚生年金が受け取れますが、受給額は加入期間や納めた保険料により個人差があります。

※3 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される

次章では、現在順次送付されている「年金振込通知書」について解説します。