株式市場の振り返り-日経平均株価は4日ぶり反発、上値の重い展開から抜け出せず

2018年12月7日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,678円(+177円、+0.8%) 4日ぶり反発
  • TOPIX 1,620.4(+9.8、+0.6%) 4日ぶり反発
  • 東証マザーズ総合指数 980.6(▲0.3、▲0.03%) わずかに4日続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,016、値下がり銘柄数:1,028、変わらず:78
  • 値上がり業種数:21、値下がり業種数:12
  • 年初来高値更新銘柄数:14、年初来安値更新銘柄数:213

東証1部の出来高は13億7,189万株、売買代金は2兆5,406億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。前日に明らかとなった中国通信機器最大手・ファーウェイのCFO逮捕に伴い、米中貿易摩擦再燃を懸念した様子見スタンスが強まりましたが、下値を拾う動きも見られました。結果的に閑散相場になることはなく、売買代金はかろうじて2兆5,000億円を維持しています。

そのような中、日経平均株価は終日プラス圏で推移しました。ただ、寄り付き直後に一時+233円高まで上昇したものの、前場の半ばには一時+4円高まで値を消すなど、上値の重い展開となりました。大引けに掛けて再度上げ幅を拡大しましたが、朝方の高値を超えることはできずに引けています。それでも4日ぶりの反発でした。

なお、TOPIXも同じような値動きで4日ぶりの反発となりましたが、上昇率は日経平均株価よりやや小さくなりました。

東証マザーズ総合指数はわずかに4日続落、売買代金は5日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,346万株、売買代金は740億円となり、いずれも前日より減少しました。ソフトバンクの大型IPOを控えてか、模様眺めムードが強まって盛り上がりに欠けた商いとなりました。売買代金は5日連続で1,000億円を下回っています。

また、総合指数も反発力が弱く、最後はプラス圏に浮上することなく4日続落で引けました。連日の1,000ポイント割れとなりましたが、今後は個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。

ソフトバンクGが大幅続落、新日鐵住金など鉄鋼株が軒並み安値更新

個別銘柄では、ファーストリテイリング(9983)が一時+3%超高の大幅上昇となり、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)、花王(4452)、資生堂(4911)なども大幅高となりました。

また、ハイテク株ではNEC(6701)が3日続伸で年初来高値を更新し、富士通(6702)や富士フイルムホールディングス(4901)なども大きく値を上げています。

その他では、スズキ(7269)、任天堂(7974)、電通(4324)、ドンキホーテホールディングス(7532)などの上昇が目立ちました。

一方、ソフトバンクグループ(9984)が大幅続落となり、三井住友フィナンシャルグループ(8316)などメガバンク株が大きく値を下げました。

また、大型買収による財務リスク懸念が残る武田薬品工業(4502)が▲5%超安の急落となり、連日の年初来安値更新となっています。

さらに、米中貿易摩擦懸念の再燃を背景に、新日鐵住金(5401)など鉄鋼株が売られ、多くが年初来安値を付けました。

その他では、ハイテク株の一角が売られ、シャープ(6753)が▲5%超安の急落となり、大幅安となったTDK(6762)とともに年初来安値を更新したのが目を引きました。

新興市場(東証マザーズ)では、CYBERDYNE(7779)が連日の急落で6日続落となって年初来安値を更新しました。また、メルカリ(4385)も大きく値を下げて年初来安値更新となり、サンバイオ(4592)が大幅安で3日続落となっています。

一方、インターネットインフィニティー(6545)が値を飛ばしてストップ高となり、ZUU(4387)も急騰しました。

葛西 裕一