結婚や出産によって「家の仕事」や「お金の使い方」への向き合い方を変えざるを得ないときに、夫婦のどちらか一方だけが大きな変化を強いられた状態が続いた場合、「夫婦の考えが違っていること」に寛容になりにくくなると想定されます。

日常生活において「何を1番大切にするのか」という点は、人生の折々で変化していきます。夫婦の足並みが揃わなくなったとき、夫婦間で「性格の不一致」や「価値観の違い」という漠然とした理由に落とし込まれてしまうのかもしれません。

ちなみに「夫婦の3組に1組離婚」というのは数字のマジック。単純に同じ年の離婚数から婚姻数を割っただけで、少子化や未婚化によって婚姻数が著しく減っていることは全く反映されていません。厚生労働省による2017年の離婚率は人口1,000人あたり1.7。離婚はそこまで頻繁に起こっているわけではない……ということだけは確かなことだと言えるでしょう。

【参考】

  • 平成29年度 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 - 裁判所 司法統計
  • ドメスティック・バイオレンス(DV)とは - 内閣府男女共同参画局
  • 離婚に関する調査 2016 – リクルート ブライダル総研
  • 平成29年(2017)人口動態統計の年間推計
     

北川 和子