6月は年金支給月。年金と聞くと「老後の備え」と思いがちですが、実は現役世代の支えにもなる年金があります。
それが「障害年金」です。もしものとき、自分や家族を守るためのしくみとして知っておきたい制度です。
今回は、日本年金機構の統計データをもとに、障害年金の認定件数や基本的な仕組み、受給金額の目安についてわかりやすく解説します。
1. 【障害年金】新規裁定は14万件、再認定は23万件超え!
障害年金を受給するためには、受給資格がある人かどうか認定されなければいけません。
認定されずに非該当となることも含めて初めて障害年金受給の申請をする件数を「新規裁定」といいます。
また、すでに障害年金の受給者が引き続き年金をもらうために申請をする件数を「再認定」といいます。
どのくらいの人が障害年金の受給者として認定されているのでしょうか?
年金機構が令和6年9月に発表した「障害年金業務統計(令和5年度決定分)」の決定区分別件数についてみていきましょう。
令和5年の【新規裁定】件数と割合
- 障害基礎・厚生合計:14万2209件
- 1級:1万6603件 ー11.7%
- 2級:8万7365件 ー61.4%
- 3級:2万5903件 ー18.2%
- 障害手当金:391件ー0.3%
- 非該当:1万1947件ー8.4%
※障害等級3級と障害手当金は障害厚生のみ
令和5年の【再認定】件数と割合
- 障害基礎・厚生合計:23万2850件
- 継続:22万4111件ー96.2%
- 増額: 4357件ー1.9%
- 減額: 1845件ー0.8%
- 支給停止:2537件ー1.1%
令和5年の障害認定について、【新規裁定】と【再認定】でポイントにしぼって解説します。
1.1 【新規認定】はおよそ14万件
令和5年に初めて障害年金の受給者として認定されるか判断を受けた件数は、障害基礎・厚生合わせて14万2209件でした。
また、障害等級の中でも「2級」が最多で、日常生活に大きな支障がある人が中心に新規認定されていることがわかります。
受給の要件を満たさないと判断された「非該当」も1万1947件と一定数いることも読み取れます。
1.2 【再認定】はおよそ23万件
障害年金は一度認定されたらずっと自動的に支給されるわけではありません。
障害状態が変わることもあるため、診断書を提出して定期的に認定を受ける必要があります。
令和5年の【再認定】区分では、96%と大多数の人が継続して障害年金の認定をうけていることがわかります。
増額・減額・支給停止になった人はごく一部のみということも読み取れます。
令和5年度の障害年金では、新たに申請した人や、すでに受給している人の多くが認定を受けて支給されていることがわかりました。
では、「実際に障害年金はどのような仕組みで、それぞれの障害等級でいくらもらえるのか?」
障害年金の仕組みと年金額についてみてみましょう。