3. 【厚生年金保険料】引き上げ後の負担額&年金額は月いくらになる?
本章では、以下のケースを想定し、厚生年金保険料の引き上げにより、負担額と将来の年金受給額がどのように変化するかをシミュレーションしていきます。
なお、本シミュレーションで算出する年金額は、2024年度の基準額に基づいており、1年間該当した場合のおおよその金額となります。
3.1 標準報酬月額の上限が68万円に改正した場合
標準報酬月額の上限が68万円へ引き上げられた場合、その影響を受けるのは「報酬月額66万5000円から69万5000円程度」の方です。
この層では、保険料・年金額が以下のように変わることが見込まれます。
- 保険料:月5万9475円から6万2220円に増額(実質約1800円の増額)
- 年金額:+約150円/月(終身)、10年間該当で+約1500円
3.2 標準報酬月額の上限が71万円に改正した場合
標準報酬月額の上限が71万円に引き上げられた場合、影響を受けるのは「報酬月額69万5000円から73万円程度」の方です。
この層では、保険料・年金額が以下のように変わることが見込まれます。
- 保険料:月5万9475円から6万4965円に増額(実質約3700円の増額)
- 年金額:+約300円/月(終身)、10年間該当で+約3000円
3.3 標準報酬月額の上限が75万円に改正した場合
標準報酬月額の上限が71万円から75万円に引き上げられた場合、影響を受けるのは「報酬月額73万円以上」の方です。
この層では、保険料・年金額が以下のように変わることが見込まれます。
- 保険料:月5万9475円から6万8625円に増額(実質約6100円の増加)
- 年金額:+約510円/月(終身)、10年間該当で+約5100円
上記のシミュレーション結果からもわかるように、収入が多いほど保険料の負担は大きくなりますが、その分将来の年金も増額されます。
ただし、保険料の引き上げに対して年金の増額は控えめであり、長期間にわたって保険料を支払い続けなければ、大きな年金の上乗せは期待しにくいとうかがえます。