2. 【年金制度改正案】厚生年金保険の標準報酬月額の上限が引上げに

厚生労働省の発表によれば、2027年9月より高所得層に対して厚生年金保険料の負担が段階的に増加する見込みとなっています。

この負担増は、「標準報酬月額」の上限を現在の65万円から75万円へと引き上げる制度改正に伴うもので、年金額の計算基準が見直されることになります。

この段階的な保険料の引き上げにより、対象者は現役時代の収入により見合った年金を受け取れるようになります。

なお、今回の厚生年金における標準報酬月額の上限引き上げは、すべての加入者に影響するわけではなく、対象は主に一定以上の収入がある「高所得層」に限られます。

次章では、具体的にどのような人が対象となるのかを詳しく見ていきます。

2.1 年収1000万円クラスの厚生年金保険料が増える?!保険料引き上げの対象者

今回の標準報酬月額の上限引き上げにより影響を受けるのは、毎月の給与が66万5000円以上の方が対象となります。

賞与を含めた年間収入で見ると、概ね年収1000万円前後の層が該当し、この収入帯の方は段階的に厚生年金保険料の負担が増加する見通しです。

厚生労働省の発表によると、現在の標準報酬月額上限である65万円を超える高所得者は、被保険者全体の約6.5%を占めています。

「全体の6.5%」という数字は一見少なく思えるかもしれませんが、実際には約278万人に相当し、多くの人が保険料の引き上げの影響を受けることがわかります。

では、段階的な引き上げ後に保険料の負担額や受け取る年金がどのように変わるのか。