4. おひとりさまの老後生活、注意すべきポイントは?
おひとりさまの老後生活には、ひとり暮らしならではの注意しておきたいポイントがあります。それは年金、住まいや介護の問題です。順を追ってみていきましょう。
4.1 現役時代の給料と年金額の差に注意
おひとりさまの老後生活を支えるお金のひとつが年金です。実際にいくらもらえるのか、厚生労働省の資料より、現在のシニアが受け取っている年金の平均額を確認してみましょう。
【厚生年金保険(第1号)】
- 全体:14万6429円
- 男性:16万6606円
- 女性:10万7200円
※国民年金(老齢基礎年金)を含む
【国民年金】
- 全体:5万7584円
- 男性:5万9965円
- 女性:5万5777円
会社員や公務員など厚生年金の被保険者の方が受け取っている年金は月あたり約14万円、それ以外の自営業やフリーランスの方など、国民年金のみに加入している方は約6万円となっています。
夫婦世帯であれば2人分の年金が受け取れますが、単身世帯が受け取れるのは1人分です。そのため、現役時代に受け取っていた給与との差を感じやすく、ライフスタイルの変更を余儀なくされる方も少なくありません。
自分が将来もらえる年金額については、ねんきんネットやねんきん定期便で確認するのがいちばんです。調べて少ないと感じた方は、貯蓄額を増やすなどの対策を検討する必要があります。
4.2 ひとり住まいだからこそ考えたい「住居と介護」
おひとりさまは、その身軽さゆえ、住まいの形態として、賃貸住宅を選択する方が少なくありません。現役時代は給料から家賃を払えていても、年金生活では家賃が家計の負担になる場合もあります。
とくに、昨今の物価高騰で生活費は上昇傾向にあり、家賃も例外ではありません。家賃の低いところに転居しようとしても、高齢者の場合、簡単に入居できない可能性もあります。
退職後も賃貸住まいを続ける予定の方は、老後の家賃分の貯蓄を準備するほか、住まいの購入等も含めて考えておくことをおすすめします。
住まいのことを考えるときは、同時に介護のことも考えておきましょう。病気をしたとき、介護状態になったときはどうするかを考えておけば、実際に起こったときに慌てず事態に対処することができます。
親戚が近いところに転居する、医療施設が充実している地域に住む、高齢者向け住居を探しておくなど、事前に考えることは多くありますから、自身で調べるほか、専門家や行政などに相談してみるのもひとつの方法です。
年金などのお金の問題だけでなく、住まいと介護に関することは、おひとりさまの老後を考える上で避けて通れない大切な問題です。時間があるときにじっくり考えてみてはいかがでしょうか。