5. 生活保護を受けている世帯は「164万2063世帯」に
住民税非課税世帯となり、支援を必要としているのはシニア世代だけではありません。
厚生労働省が2025年3月14日に公表した「生活保護の被保護者調査(令和5年度確定値)」によると、生活保護を受けている世帯は、2023年度(2023年4月~2024年3月)1カ月平均で164万2063世帯(※保護停止中を含まず)。
このうち高齢者世帯を除く世帯が44.7%を占めており、母子世帯3.9%、障害者・傷病者世帯計25.0%、その他の世帯15.8%の構成比となっています。
近年しばしば行われている「現金給付」のような一時的な支援の他にも、国民健康保険料(応益割)の減額、介護保険料の減額、国民年金保険料の免除・納付猶予、幼児教育・保育の無償化、高等教育の修学支援新制度など住民税非課税世帯を対象とする支援はいくつかあります。
自治体によっては独自で実施している支援もあります。
6. 医療・介護費も見据えた資産形成の重要性
今回は、住民税非課税世帯となる所得基準や、住民税課税世帯の割合について確認してきました。
特に年金収入を頼りに生活している高齢世帯では、住民税非課税世帯に該当する割合が高い傾向にあります。年金だけで生活を賄うのは難しく、貯蓄を取り崩したり、定年後も働いて収入を補う人も少なくありません。
そのため、現役世代のうちから老後を見据えた資金計画を立てておくことが大切です。老後は生活費や趣味の費用に加えて、医療費や介護費用といった思わぬ出費が生じる可能性があります。こうしたリスクを考慮に入れながら、資産形成や保険を活用して備えておくと安心です。
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参考資料
- 厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和5年度確定値)の結果を公表します」
- 内閣府特命担当⼤⾂(経済財政政策)「国⺠の安⼼・安全と持続的な成⻑に向けた総合経済対策」
- 総務省「個人住民税」
- 札幌市「個人市民税」
- 厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」
- 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 日本年金機構「年金Q&A (年金相談)」
- 日本年金機構「年金相談や手続きを代理人に委任するとき」
橋本 優理