4.3 住民税非課税世帯向けの医療・介護優遇制度
住民税非課税世帯になることで、医療や介護に関する自己負担が軽減される制度もあります。
- 高額療養費制度:限度額が通常より低く設定される
- 介護保険の利用料軽減:第2・第3段階の軽減措置で自己負担が減額
- 入院時の食事・居住費の減額(標準負担額の減免)
など。
非正規雇用や長期の無職経験によって住民税が課されていない世帯は、これらの制度を活用することで生活の負担を軽くできます。
4.4 シルバー人材センターでの働き方と地域の居場所づくり
仕事の機会が限られる中高年世代にとって、シルバー人材センターは大きな選択肢のひとつです。
- 軽作業や事務補助、家事代行など短時間・柔軟な働き方が可能
- 収入は小額でも、就労意欲や社会参加を維持する意義は大きい
- 地域コミュニティの活動に参加することで、孤立を防ぐ効果も
特に、60歳を前にした「早期高齢者」層にとっては、次のステップを考える準備期間として有効な手段です。
就職氷河期世代は、制度のはざまで見落とされがちな存在でしたが、現在はさまざまな公的支援が整いつつあります。自ら情報を集め、利用可能な制度を知ることが、将来への備えとして欠かせません。
必要に応じて地域の支援窓口などにも相談し、活用の幅を広げていきましょう。
5. まとめにかえて
就職氷河期世代は、経済的にも社会的にも長く厳しい立場に置かれてきました。
現在はようやく支援策が進みつつありますが、今後はより実効性のある貯蓄支援や生活保障策が求められます。
貯蓄の現実を正しく把握することが、制度設計や社会的支援の第一歩となるでしょう。
6. 参考文献
- 内閣府「日本経済2019-2020 第2節 働き方の変化と就業機会」
- 内閣府「就職氷河期世代支援プログラム関連参考資料」
- J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査[二人世帯調査](2024年)」
- 厚生労働省「就職氷河期世代等の方々への支援策」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
マネー編集部