多くの会社員や公務員にとって、6月は待ちに待ったボーナスの支給月です。

今から使い道を考えている方も多いと思いますが、気になるのはその水準です。どのくらい支給されるか、毎年受け取っていても気になるところです。

そこで今回は、一般財団法人 労務行政研究所の調査結果をもとに、2025年の夏季賞与の支給水準について業界別にお伝えします。記事の後半では、おすすめのボーナスの預け先についても紹介しますので、さっそくみていきましょう。

1. 2025年夏季賞与、全産業平均は「86万2928円」

一般財団法人 労務行政研究所が発表した「東証プライム上場企業の 2025年夏季賞与・⼀時⾦(ボーナス)の妥結⽔準調査」によると、夏季賞与・一時金(ボーナス)の支給水準は、前年同期より3.8%増え、86万2928円であることがわかりました。これは1970年の調査開始以降、過去最高額とのことです。

産業別でみると、製造業(90社)では90万2288円、非製造業(24社)では71万5328円となっており、業種によって額に開きがあります。

この金額は「妥結額」なので、実際に支給される金額とは異なりますが、前年同期の妥結実績と比べると、それぞれ3.7%、4.8%上昇しています。賃上げの影響がボーナスにも波及していると考えられ、支給額のアップが期待できそうです。

2. 2025年夏季賞与、業種別の一覧表を確認

それでは、業種別の夏季賞与・一時金の支給水準を詳しく見ていきましょう。

【製造業】

  • 水産・食品:77万857円(3.7%)
  • 紙・パルプ:70万7143円(2.1%)
  • 化学:85万9172円(2.9%)
  • ゴム:83万5000円(1.7%)
  • 鉄鋼:93万4000円(−3.5%)
  • 非鉄・金属:86万4494円(10.7%)
  • 機械:95万4431円(3.7%)
  • 電気機器:93万1911円(4.7%)
  • 輸送用機器:98万7670円(3.7%)
    うち自動車:104万4621円(3.2%)

【非製造業】

  • 建設:97万6667円(7.5%)
  • 商業:60万8036円(3.5%)
  • 陸運:40万5836円(1.2%)
  • 情報・通信:90万7250円(2.7%)
  • 電力:89万2600円(7.6%)

※カッコ内は対前年同期比

「鉄鋼」を除き、他の業種の支給水準は、すべて前年同期より上昇しています。対前年同期比で上昇が著しいのは、「非鉄・金属」「電力」「建設」で、それぞれ、10.7%、7.6%、7.5%上昇しています。

「非鉄・金属」に関しては、3月に非鉄金属大手のJX金属が東証プライムに上場して話題となりましたが、非鉄・金属業界は、再生エネルギーやEV、AIに関連する産業として注目されています。

今年は、どの産業においても米国の政策が業績に与える影響が懸念されますが、「非鉄・金属」は今後の成長が期待されている業界のひとつです。

3. ボーナスの預け先はどうする?

ボーナスの使い道を考えるのも、ボーナスをもらう楽しみのひとつです。大きな金額が支給されるので、よく考えて、使い道や預け先を検討しましょう。

ボーナスの行き先は、おおむね「消費」「貯蓄(投資)」です。貯蓄や投資を検討している方は、下記の金融商品を検討してみるのもおすすめです。

3.1 定期預金 

夏のボーナス時期は、金融機関が預金獲得のため、定期預金の金利優遇キャンペーンをおこなうところも少なくありません。

日銀の政策変更以降は金利が上昇しているので、今までは定期預金が預け先の選択肢にならなかった方も、預け先のひとつとして検討してもよいでしょう。

ただし、預入額が少ないと、金利が高くても受け取れる利子は多くありません。さらに税金も取られます。リスクはほとんどないので、投資はできないが少しでも増やしたい方は活用を検討してみましょう。

3.2 債券(個人向け国債・社債など)

金利が上昇したことで、注目したいのが個人向け国債などの債券です。

債券とは、国や公共団体、企業などが資金調達のために発行する金融商品です。投資家は債券を購入し、決められた期間保有することで、利子を受け取れ、償還日に額面金額が返還されます。

リスクが気になる方は、まずは個人向け国債を検討してみましょう。日本国が発行体なので、信用リスクが低いのが特徴です。期間は3年、5年、10年と選べて、10年は変動金利です。仕組みがわかりやすいため、投資初心者も購入しやすいでしょう。

社債や外国債券などは、個人向け国債よりもリスクが高い分、利率も高めです。高い利率は魅力ですが、将来の資金需要も考えて銘柄を選ぶことが大切です。

3.3 投資信託・株式

ボーナスの一部を投資信託や株式に投資をするのも、ひとつの方法です。投資をする際はNISAを利用して、非課税のメリットを活かしましょう。

とくに20歳代や30歳代の若い世代の方は、将来に備えた資産づくりを始めておくことをおすすめします。どなたでも始めやすいのは分散投資です。

ボーナスで分散投資をおこなうなら、引き落とし口座にボーナスを預けておけば、毎月自動的に引き落としされます。すでに分散投資を行っている方は、ボーナスから数万円ずつ、毎月の投資額にプラスするのもよい方法です。

ボーナスの一部を一括で投資することも悪くありませんが、事前に銘柄研究をしておくことをおすすめします。今後の成長が期待できる銘柄をいくつかピックアップしておき、その中から投資先を選ぶとよいでしょう。長期投資にもつながりやすくなります。

4. まとめにかえて

今回は、業界別の2025年 夏季賞与の支給水準、おすすめのボーナスの預け先についてお伝えしました。

過去最高水準となる今年のボーナス額ですが、昨今の物価高や金利上昇による住宅関連費用の負担増などにより、ボーナスから日々の支出に回るお金も少なくないと予想されます。

また、米国の政策の影響で、せっかくの賃上げムードに水を差す事態も続いています。各社の業績見通しも弱くなっているので、早ければ冬のボーナスや来年以降の賃金にも影響があるかもしれません。

さらに、大手企業のなかには、冬の賞与の廃止や賞与を年一回にするなどして、賞与の給与化を進めている企業もあります。もともと賞与を支給しない「年俸制」の企業もあるので、賃金支給の仕組みは多様化しそうです。

いずれにしても、ボーナスは自分が働いて得られる大切なお金であることには間違いありません。ぜひ将来に役立つ使い道を検討していただけたらと思います。

参考資料