株式市場の振り返り-大幅下落で4日続落、新興市場も値を下げる
2016年4月1日(金)の東京株式市場は大幅下落の4日続落となりました。日経平均株価は前日比▲3.5%の下落、TOPIXも▲3.4%の下落で引けています。また、東証マザーズ総合指数も▲2.9%の5日ぶりに値を下げました。
日経平均株価は、前日比▲39円の小幅安で寄り付いた後は、1日を通してほぼ一貫して下落しました。一時は前日比▲645円安となりましたが、大引けに掛けて僅かに戻した結果、終値は▲594円安の16,164円でした。なお、日経平均株価の下落率▲3.5%は、1日の下落率としては2016年に入って4番目に大きく、アベノミクスが始まった2013年以降で見ても15番目に大きいものとなっています。
東証1部で上昇したのは70銘柄、値下がり1,860銘柄、変わらず17銘柄でした。東証1部の出来高は25億7,927万株、売買代金は2兆6,570億円(概算)となっています。
セクター動向と主要銘柄の動き-33業種全てが下落、電機セクターの不振が顕著
東証1部の33業種全てが下落しました。下落率上位は、電気機器▲4.5%、電力・ガス▲4.3%、鉱業▲4.3%、機械▲4.2%などでした。下落率が小さかったのは、情報・通信▲1.2%、水産・農林▲2.1%、空運▲2.3%、建設▲2.5%でした。電機セクターの下落率が非常に大きくなっています。
個別銘柄では、前日に事業方針計画を発表したパナソニック(6752)が前日比▲12%超の下落となった他、アルプス電気(6770)やTDK(6762)などの電子部品株も軒並み大幅下落となりました。その他、デンソー(6902)、ファーストリティリング(9983)、アステラス製薬(4503)なども大きく値を下げています。一方、数少ない上昇銘柄の中では、ソフトバンクグループ(9984)やKDDI(9433)などの通信株が目立ちました。
本日のポイントと注目テーマと関連業種-決算発表が本格化する小売セクターに引き続き注目、“下がったら買い”と決めつけない
新年度初日の相場となった1日は波乱の幕開けとなりました。“あ~、こんなに下がってしまって、もうダメだ”と気落ちしている人も少なくないかもしれません。確かにきつい下げでしたが、大きな値動きが出始めたことは良いことなのです。上がり続ける相場が無いように、下がり続ける相場もありません。
1日は、日銀短観が思いの外悪かったことが材料視されましたが、内容的には既に認識済みであり、大きく売り込まれるものではなかったと思われます。よくよく考えてみると、代表的な遅行指標と言われている日銀短観が、株価を大きく動かすとは考え難いです。あくまでも1つの材料として、短期筋が売りを仕掛けてきた可能性があります。どっしり構えて臨みましょう。狼狽売りに走ることは、彼ら短期筋の術中にはまることになります。
一方で、なかなか買い材料に乏しいのも事実です。国内景気に関しては良いニュースがほとんどなく、新年度が始まったばかりなので、政府も早々に景気対策を実施し難い環境にあります。今後の可能性としては、その政府に景気対策の実行を促す、いわゆる“催促相場”に入る可能性があります。催促相場では、下値が切り下がっていく局面が想定されますので、単純に“下がったら買い”と決めつけないことが重要でしょう。
今週から小売セクターを中心に、2月決算期の本決算発表が本格化します。1日の相場を見ていると、何でもない実績や想定通りの会社予想に対して、株価が売り込まれる場面が想定されます。特に、場中に決算発表を行う企業は、その株価の動きに要注意です。
こうした点も含めて、引き続き小売セクターに注目しましょう。また、1日に大幅下落となった電機セクターは、電子部品メーカー以外はリバウンド期待が高まります。為替が再び円高気味になっていますから、輸出関連株は慌てて手を出さず、下値を待つスタンスに徹したいところです。
【2016年4 月3日 投信1編集部】
■参考記事■
>>失敗しない投資信託の選び方:おさえるべき3つのNGと6つのポイント
LIMO編集部