1.5 高額医療・高額介護合算制度

高額医療・高額介護合算制度は、医療費と介護サービス費の負担が高額になった際に受けられる給付です。支給額や支給要件を見てみましょう。

支給額

  • 医療保険と介護保険両方に自己負担が生じ、決められた限度額(年額)を超えた場合に超えた分が全額払い戻される。

支給要件

  • 年収に応じて、年間の医療費と介護サービスの自己負担額の合計が以下の金額を500円以上超えた場合。
    ・年収約1160万円:212万円
    ・年収約770~約1160万円:141万円
    ・年収約370~約770万円:67万円
    ・~年収約370万円
     70歳以上:56万円
     70歳未満:60万円
    ・市町村民税世帯非課税等
     70歳以上:31万円
     70歳未満:34万円
    ・市町村民税世帯非課税かつ年金収入80万円以下等
     70歳以上(本人のみ):19万円
     70歳以上(介護利用者が複数):31万円
     70歳未満:34万円

申請手順

  1. マイナンバーカードや運転免許証、保険証などを用意する
  2. 加入する健康保険のWebサイトから支給用の申請書をダウンロードし、必要事項を記載する
  3. 加入する健康保険の窓口へ書類を提出する

高齢になると、人によっては多額の医療費や介護サービス費がかかる場合があります。高額医療・高額介護合算制度を活用すれば、本来自分で負担すべき金額である「限度額」を超えた際に、超えた分が全額払い戻されます。

負担すべき医療費や介護サービス費の限度額は年収によって分かれています。シニア世代は公的年金等控除により所得が下がりやすく、住民税が非課税になり負担限度額が低めになるケースが多いです。

申請は加入する健康保険に対して行います。必要書類をダウンロードして、窓口へ提出しましょう。Webからダウンロードできない場合は、電話で問い合わせて書類を受け取ってください。

2. まとめ

シニア世代はさまざまな給付金を活用できますが「申請が面倒」という人もいるのではないでしょうか。しかし、申請忘れにより給付金を受けられなかった場合と、少し手間をかけてでも給付を受け取れた場合とでは、収入や家計の負担が変わります。

必要に応じて親族や担当窓口の職員の協力を得ながら申請を済ませ、給付を受け取りましょう。

参考資料

石上 ユウキ