2025年度から「国民年金や厚生年金」は、前年度と比べ1.9%増えています。
しかし、その一方で総務省が2025年6月20日に公表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)5月分」によると、消費者物価指数の総合指数は前年同月と比べ3.5%上昇しています。
つまり、公的年金の上昇率は、物価の上昇に追いついていません。
なかには「将来、年金がどれくらいもらえるのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では今のシニア世代がどれくらいの年金を受給しているのか、年金の「平均月額」を見ていきます。
公的年金の基本的なしくみや、2025年度に増額改定された年金額例、60歳~90歳以上の「厚生年金と国民年金の平均月額」を早見表をもとにご紹介します。
1. 「厚生年金」と「国民年金」のしくみを確認
日本の公的年金は「2階建て構造」になっています。
1階部分は「国民年金」、2階部分には「厚生年金」があります。
原則、国民年金の加入対象は「国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人」です。
国民年金保険料(※1)は全員一律となっています。
その一方で、厚生年金は会社員や公務員、一定の要件を満たしたアルバイトやパートの方などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた厚生年金保険料(※2)を納めます。
国民年金は、年金保険料を全期間(480月)納付すると、65歳で満額(※3)を受給できます。
ただし、未納期間に応じて満額から差し引かれるしくみとなっています。
※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円