1.2 収入と支出のバランスを確認する
収入と支出を把握し、毎月の家計状況が黒字なのか、赤字なのかを確認しましょう。収支のバランスを把握することにより、毎月退職金をどの程度取り崩す必要があるのか、運用する余裕があるのかを確認できます。
例えば、「年金収入と支出」で考えた場合の家計が、毎月マイナス3万円の場合で考えてみましょう。老後期間を30年とすると、1080万円を用意する必要があります。
リタイア時の預貯金と退職金をあわせた金額がいくらになるのかを確認し、不足がある場合は対処法を考えなければなりません。
たとえば、できるだけ長く再雇用で働けば、退職金の取り崩しを最小限に抑えられます。また、公的年金の繰下げ受給を選択する余裕が生まれ、資産寿命を延ばせるかもしれません。
1.3 介護費を別途確保する
老後生活において、見通しを立てづらいのが介護費です。介護費は、そもそも必要になるのか、必要になったらいくら支払うのか読みづらいという特徴があります。
いざというときに支払えないと困るため、介護費は運用に回さず、普通預金や定期預金で確実に保管しましょう。
なお、公益財団法人生命保険文化センターが行った調査によると、介護に要した費用は一時的な費用で平均74万円、月々の費用が平均8万3000円でした。在宅介護の月額費用は平均4.8万円、施設介護の場合は平均12万2000円です。
介護を行った期間の平均は、61.1カ月(5年1カ月)となっています。在宅介護と施設介護の期間をそれぞれ半分程度と仮定すると、必要な介護費の目安は500万~600万円程度と概算できます。
そのため、退職金のうち500万~600万円程度は、「手を付けてはいけないお金」としてプールしておきましょう。