近ごろ、物価の上昇が家計をじわじわと圧迫しており、特に米や日用品の値上がりに多くの人が敏感になっています。
収入が限られる年金生活者にとっては切実な問題です。こうした状況を受けて、2025年度の年金額は前年度比で1.9%引き上げとなりました。
今回は、国民年金と厚生年金のモデル年金額や、シニア世代が実際に受給している年金額を世代ごとに詳しく見ていきます。
1. 【図表つき】令和7年度の年金額はいくらになったのか
公的年金額は物価や賃金を考慮して、年度ごとに見直しがおこなわれます。
2025年度は前年より1.9%の引き上げとなり、モデル夫婦世帯(※1)は月額23万2784円。国民年金の満額(※2)は月額6万9308円です。
夫婦ともに国民年金のみ(満額と仮定)を受給する世帯の場合、2人分の合算額は13万8616円となります。
※1 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5 万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
※2 国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受給できる年金額
2. 【年金カレンダー】増額分の年金が振り込まれるのは「6月支給分」から
年金支給日は「2カ月に一度、偶数月の15日」に、前月分までの2カ月分が合算されて支給されるサイクルです。
15日が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しとなります。
今回の改定率が適用されるのは、6月13日(金)に支給される「4月分の年金」からです。
2025年の年金支給日カレンダーも見ておきましょう。
【一覧表】2025年 年金支給日カレンダー
出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」などをもとにLIMO編集部作成
年金支給日:支給対象月
- 2025年4月15日(火) :2月・3月分
- 2025年6月13日(金) :4月・5月分
- 2025年8月15日(金) :6月・7月分
- 2025年10月15日(水) :8月・9月分
- 2025年12月15日(月) :10月・11月分
次では公的年金(国民年金と厚生年金)のしくみの基本をおさらいします。