【47都道府県ランキング】厚生年金の平均年金月額が「多い・少ない」都道府県はどこ？

3. 厚生年金の年金額の決まり方《都道府県で差が出るのはどうして？》

厚生年金の受給額は、現役時代の報酬（給与・賞与）と年金加入期間の影響を受けるため個人差が出やすくなっています。

厚生年金の報酬比例部分は、以下の合計で決まります。

つまり、年収が高い人や加入期間が長い人ほど、多くの厚生年金を受給できるしくみなのです。

賃金の水準は都道府県によって差があり、都市部はより高い傾向にあります。そのため、将来の年金額も同様の傾向が見られます。

また、厚生年金の加入期間が短ければ、どれほど年収が高くても年金額は低くなってしまいます。

自営業の比率や共働きの比率も都道府県で異なるため、こうした背景から年金受給額は都道府県で異なると考えられます。

では、国民年金は都道府県による違いがあるのでしょうか。

国民年金は「国民年金保険料をどれだけ納めたか」で受給額が決まるため、個人差・男女差・都道府県格差もさほど大きくありません。

参考までに、国民年金（老齢基礎年金）の都道府県差を見ておきましょう。

受給金額は5～6万円台におさまっており、全国の平均月額は5万7700円となっています。厚生年金の上乗せがなく、国民年金のみを受け取る場合、老後資金を手厚く準備しておく必要がありそうですね。

今回は、都道府県別「国民年金・厚生年金」の平均額について解説しました。

国民年金（基礎年金）は都道府県による差が比較的小さいですが、厚生年金は地域によって受給額に顕著な差が見られました。

厚生年金は、現役時代の加入期間や収入（納付保険料）に基づいて年金額が計算されるため、ひとりひとりのキャリアや、地域ごとの産業構造の特徴が反映されやすいと言えるでしょう。

こうした背景から、受給額には男女差も生じる傾向があります。

つまり、老後の年金受給額は一人ひとり異なるということ。必要となる老後資金の額や、その準備方法もおのずと変わってくるでしょう。

「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用して、ご自身の年金見込額を把握してみましょう。そこから「私の場合はいくら必要か」「わが家の場合はどの程度準備をしておけばよいか」を計算していくことが大切です。

長井祐人