米株が急落。世界経済の停滞への懸念も
2018年11月22日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より139円01銭高の21,646円55銭となりました。3日ぶりに反発しましたが、日米の祝日前で市場参加者が少なかったこともあり、上げ幅は大きくありませんでした。
ここまで好調だった海外の株式も軟調です。特に米国株の下落が続いています。23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、24,285ドル95セントと7月上旬以来約4か月半ぶりの安値となりました。
今週以降の動きはどうなるでしょうか。現状は悪材料が多い状況です。まずこれまで米株式市場の上昇をけん引してきたハイテクやIT関連銘柄が不調です。アップルはiPhoneの販売が不振で、受託生産している台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は2018年末までに、10万人規模の人員削減を計画していると伝わりました。このほか、アルファベット(グーグルの親会社)、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムなどの株価も急落しています。
さらに、米中の貿易摩擦問題の行方がなかなか読みづらい状況です。18日に閉幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では、米中間の対立により、APECの歴史を通じて初めて首脳宣言を採択できませんでした。
米中は今週末にアルゼンチンのブエノスアイレスで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議において、首脳会談を行う予定です。一時は、合意に向けて大きく前進するという期待もありましたが、ここにきて、米政府が日本を含む同盟国に対し、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)製品の使用停止を求めていることが報じられるなど、楽観はできません。
国内では日産自動車の問題なども発生しましたが相場全体への影響は小さいようです。むしろ、要人の発言など、外的要因に振られて上下することになりそうです。22日の東証1部の売買代金は2兆810億円と、商いも薄くなっています。急な値動きには注意したいところです。