2. シニア層の就業率は年々上昇傾向に…

年齢階級別就業者数及び就業率の推移

年齢階級別就業者数及び就業率の推移

出所:内閣府「令和7年版高齢社会白書 第2節 高齢期の暮らしの動向」

2024年時点の就業率は、65歳~69歳が53.6%、70~74歳が35.1%、75歳以上が12.0%です。

10年前の2014年から年々上昇していることがわかります。

次章では、どの産業でシニア層の就業率が高いかを見てみます。

3. 65歳以上シニアの就業者の割合が高い産業は?

 主な産業別65歳以上の就業者数及び割合

 主な産業別65歳以上の就業者数及び割合

出所:内閣府「令和7年版高齢社会白書 第2節 高齢期の暮らしの動向」

2024年の65歳以上の就業率が最も高い産業は「農業・林業」(51.7%)です。就業者数が最も多いのは「卸売業・小売業」ですが、割合で見ると12.7%となっています。

  • 農業・林業:93万人(51.7%)
  • 建設業:80万人(16.8%)
  • 製造業:88万人(8.4%)
  • 情報通信業:7万人(2.4%)
  • 運輸業・郵便業:40万人(11.6%)
  • 卸売業・小売業:133万人(12.7%)
  • 金融業・保険業:8万人(4.5%)
  • 不動産業・物品賃貸業:40万人(28.6%)
  • 学術研究・専門技術サービス業:37万人(14.1%)
  • 宿泊業・飲食サービス業:58万人(14.3%)
  • 生活関連サービス業・娯楽業:45万人(19.6%)
  • 教育・学習支援業:37万人(10.6%)
  • 医療・福祉:115万人(12.5%)
  • サービス業(他に分類されないもの):104万人(22.3%)
  • 公務(他に分類されるものを除く)14万人(5.5%)

2025年4月からは65歳までの雇用確保が義務化されました。また70歳までの就業機会確保が努力義務となっています。

シニア層が働く環境が整えられていること、そして「働けるうちは働きたい」と考える人が多いことから、今後さらにシニアの就業率が上昇していくと考えられます。

公的年金を受けとりながら、ゆっくりしたペースで働きたいと考える方もいるでしょう。

しかしそのペースは「年金だけで生活できるか否か」によっても異なるかもしれません。

未来の年金制度に対する不安の声は高まる一方ですが、いまのシニア世代の方々の年金生活はどうなのでしょう。

年金額と生活費のデータから考察していきたいと思います。