連日、年金制度改正についてさまざまな意見が飛び交っています。
「年収の壁、どうなるの？」、「厚生年金の積立金を流用するってアリなの？」など、これを機に年金制度への関心が高まった人もいるでしょう。
本記事では、公的年金の基本的なしくみを解説したあとに、いまどきのシニア世代の年金額を確認していきます。
年金生活の実態を「年金額」から想像し、老後対策の参考にしてみてください。
1. 今のうちに理解しておきたい「公的年金」の概要・しくみ
公的年金制度は「2階建て」の仕組みとなっており、1階部分が「国民年金」、その上に2階部分として「厚生年金」が積み重なる形になっています。
原則として、国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入するのが「国民年金」です。
年金保険料（※1 ）は全員一律で設定されており、保険料を満期間（480月）納めれば、65歳以降に満額の年金（※2）を受け取れます。
反対に、未納期間がある場合は、その期間に応じて満額から差し引かれます。
一方、会社員や公務員などは国民年金に加えて「厚生年金」にも加入します。
厚生年金の保険料は収入に応じて決まり（※3）、受給額は加入期間と在職中の収入に基づいて計算されます。
基本的には、加入期間が長く、収入が高いほど将来受け取る年金額も多くなりますが、一定の上限が設けられています。
※1 国民年金保険料：2025年度は月額1万7510円
※2 国民年金の満額：2025年度は月額6万9308円
※3 保険料額は標準報酬月額（上限65万円）、標準賞与額（上限150万円）に保険料率をかけて計算される
