2025年5月16日、総務省は「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」を公表しました。

これによると、二人以上世帯の「1世帯当たり貯蓄現在高」の平均は前年比+80万円(+4.2%)の増加に。6年連続の増加、かつ2002年以降で最多となったことが分かりました。

今回はこの調査結果から「65歳以上の無職夫婦世帯」の貯蓄事情にフォーカス。あわせて、65歳以上世帯全体の貯蓄・家計収支に関する一次資料を見ていきます。

働き盛りの現役世代のみなさんが、遠い将来に向けた生活設計を考える上でのヒントにしていただければと思います。

1. 【最新版】65歳以上「無職夫婦世帯」貯蓄平均は2560万円。資産の内訳「定期性預貯金」が最多

総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-」によると、65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯)の貯蓄額に関するデータは以下のとおりです。

世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄の種類別現在高の推移(二人以上の世帯)

65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」

「世帯主が65歳以上の無職世帯」の貯蓄の平均貯蓄額は、2560万円でした。

過去5年の推移を見ると

  • 2019年:2218万円
  • 2020年:2292万円
  • 2021年:2342万円
  • 2022年:2359万円
  • 2023年:2504万円
  • 2024年:2560万円

と、直近5年は右肩上がりとなっています。

2024年度の貯蓄の内訳についても見てみましょう。

  • 定期性預貯金:859万円(33.6%)
  • 通貨性預貯金:801万円(31.3%)
  • 有価証券:501万円(19.6%)
  • 生命保険など:394万円(15.4%)
  • 金融機関外:6万円(0.2%)

貯蓄の種類別に見ていくと、最も多いのは定期性預貯金の859万円。次いで通貨性預貯金が801万円、有価証券(※1)が501万円、生命保険などが394万円、金融機関外(※2)が6万円となっています。

次では勤労世帯も含めた「65歳以上二人世帯」全体の貯蓄事情をのぞいてみましょう。

※1 有価証券:株式,債券,株式投資信託,公社債投資信託,貸付信託,金銭信託など(いずれも時価)
※2 金融機関外:金融機関以外への貯蓄のことで、社内預金、勤め先の共済組合への預金など