2025年度の国民年金保険料は、前年度から月額530円引き上げとなり「月額1万7510円」となっています。
夫婦ともに「第1号被保険者」となる場合、夫婦2人で合計「月額3万5020円」の保険料を納めることになります。
国民年金保険料は全員一律(年度ごとに見直しあり)。年収が高くても低くても、無職でも、保険料は変わりません。
そのため、国民年金保険料が大きな負担となる世帯もあるでしょう。
みんなは国民年金保険料を納付しているのでしょうか。2025年4月25日に発表された厚生労働省の資料をもとに、国民年金保険料の納付状況を確認していきます。
1. 公的年金の1階部分「国民年金」とは?
日本では、原則日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人が「公的年金」に加入することが義務付けられています。
公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造となっており、2階建ての基礎となるのが国民年金(基礎年金)です。
一方で、会社員や公務員などは、この国民年金に上乗せする形で厚生年金に加入します。
自営業者や農業者、無職などの、厚生年金保険に加入していない「第1号被保険者」は、国民年金保険料を自身で納める必要があります。
なお、第1号被保険者が老後に受給する年金額は、国民年金保険料の「納付済月数」により決定します。
2025年度の国民年金の満額は月額6万9308円ですが、保険料の未納や免除があった方は、満額から減額される仕組みになっています。
次章では、国民年金保険料の納付率について確認していきましょう。
2. 国民年金保険料の「納付率」はどのくらい?
厚生労働省により公表された資料によると、2025年2月の最終的な納付率(2022年2月分保険料)は、83.8%で、16.2%が未納となっていることがわかります。
※1年経過納付率・2年経過納付率:納付状況の途中経過を示すもの
※3年経過納付率:最終的な納付状況を見るための指標として適当
上記のとおり、全国の平均でみると都道府県別にみると納付率が9割を超えるところもあれば、8割を下回るところもあります。
次章では、都道府県別における「国民年金保険料の納付状況」を見ていきましょう。
3. 【都道府県別】国民年金保険料納付率の状況をチェック
全 国:83.8%(+0.4pt)
- 北海道:83.5%(+0.6pt)
- 青 森:86.2%(+0.7pt)
- 岩 手:90.5%(+0.4pt)
- 宮 城:85.8%(+0.5pt)
- 秋 田:89.8%(+0.5pt)
- 山 形:90.7%(+0.4pt)
- 福 島:86.4%(+0.6pt)
- 茨 城:81.6%(+0.6pt)
- 栃 木:82.2%(+0.5pt)
- 群 馬:83.3%(+0.5pt)
- 埼 玉:80.9%(+0.5pt)
- 千 葉:83.0%(+0.3pt)
- 東 京:80.5%(+0.1pt)
- 神奈川:84.0%(+0.5pt)
- 新 潟:91.7%(+0.3pt)
- 富 山:91.3%(+0.2pt)
- 石 川:90.0%(+0.3pt)
- 福 井:89.6%(+0.5pt)
- 山 梨:88.4%(+0.2pt)
- 長 野:89.0%(+0.5pt)
- 岐 阜:88.0%(+0.4pt)
- 静 岡:87.6%(+0.4pt)
- 愛 知:85.4%(+0.4pt)
- 三 重:86.3%(+0.4pt)
- 滋 賀:87.3%(+0.5pt)
- 京 都:85.4%(+0.4pt)
- 大 阪:78.6%(+0.7pt)
- 兵 庫:84.6%(+0.5pt)
- 奈 良:86.5%(+0.6pt)
- 和歌山:89.2%(+0.5pt)
- 鳥 取:88.9%(+0.5pt)
- 島 根:92.4%(+0.3pt)
- 岡 山:86.0%(+0.5pt)
- 広 島:87.4%(+0.4pt)
- 山 口:87.7%(+0.6pt)
- 徳 島:83.8%(+0.6pt)
- 香 川:87.1%(+0.7pt)
- 愛 媛:86.4%(+0.6pt)
- 高 知:86.6%(+0.6pt)
- 福 岡:81.4%(+0.5pt)
- 佐 賀:86.1%(+0.7pt)
- 長 崎:82.5%(+0.8pt)
- 熊 本:83.3%(+0.7pt)
- 大 分:82.8%(+0.6pt)
- 宮 崎:84.2%(+0.6pt)
- 鹿児島:84.2%(+0.7pt)
- 沖 縄:80.7%(+0.6pt)
国民年金の保険料納付状況において、最高値を記録したのは島根県で92.4%に達した一方、最低値となったのは大阪府の78.6%でした。
なお、全国で見ると、80%未満の納付率を示したのは大阪府だけという結果になっています。
4. 【意外と知らない】国民年金保険料を納付しないとどうなるの?
前述したように、国民年金保険料をどれだけ納めたかによって、将来受け取れる年金額が変わってきます。
さらに重要なのは、保険料を納めた期間と免除を受けた期間を合わせた「受給資格期間」が10年に達していないケースでは、「老齢年金を一切受給できない」という点です。
この最低要件を満たさなければ、年金制度からの給付を受ける権利が発生しないため注意が必要です。
4.1 ケース1:納付期限までに納付されない場合
国民年金保険料を期限内に納めなかった場合、日本年金機構の職員や、委託を受けた民間業者から連絡が入ることがあります。
その際には、電話での督促や通知書による案内などを通じて、保険料の納付を促す対応が取られます。
4.2 ケース2:納付推奨しても納付されない場合
前述の納付促進を行っても国民年金保険料が支払われない場合、「最終催告状」が送られます。
この最終催告状に記された期限までに未納分が納付されないと、督促状が発送されます。
また、被保険者に連帯納付義務者(世帯主や配偶者)がいる場合は、その方にも督促状が送付される点にご注意ください。
4.3 ケース3:長期間、保険料未納の状況が続く場合
督促状で指定された期限内に国民年金保険料が未納のままである場合、財産の差し押さえが実施されることがあります。
また、被保険者に連帯納付義務者(世帯主や配偶者)がいる場合には、連帯納付義務者の財産にも差し押さえが行われる可能性があるため、ご注意ください。
2024年9月末時点では、10万3194件の最終催告状が送付され、督促状の送付件数は5万8666件、差押執行件数は1万909件となっているのが現状です。
5. 国民年金保険料の納付が難しい場合は放置しない!
経済的な理由で国民年金保険料の納付が難しい場合は、保険料の納付が免除または猶予してもらえる可能性があります。
免除または納付猶予の申請を行い承認された場合には、下表のとおり受給資格期間への算入や年金額へ反映されます。
納付猶予の場合、老齢基礎年金の年金額の反映はありません。しかし、納付猶予期間中に不測の事態が発生した場合、障害年金や遺族年金を受け取れる可能性があります。
納付猶予の場合、老齢基礎年金の年金額の反映はありません。しかし、納付猶予期間中に不測の事態が発生した場合、障害年金や遺族年金を受け取れる可能性があります。
国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度は、失業等により収入が減少し、経済的に保険料の納付が困難な人を対象とした制度です。
前述のとおり「未納」のまま放置すると最悪の場合、財産差押えとなりますので、「免除・納付猶予」の対象になるかもという場合は、お近くの年金事務所に相談してみると良いでしょう。
6. まとめにかえて
今回は国民年金保険料の納付率の実態を確認してきました。
状況によっては国民年金保険料の免除制度、納付猶予制度を利用できる可能性もあるため、自身が対象かわからないという人は年金事務所に問合せしてみましょう。
また国民年金は老後の収入の柱であり、納付率も比較的高水準であると言えますが、昨今の物価上昇などを踏まえると年金だけは十分な老後生活を送ることは難しいかもしれません。
より豊かな老後生活を送りたいという人は、老後収入の土台となる国民年金保険料を納付した上で、自分年金も積立していくことができると良いでしょう。
自分年金の積み立て方は十人十色。
理想とする老後生活の実現に向け、自分専用のプラン作りを始めてみてはいかがでしょうか。





