2.3 医療費負担の軽減
1ヵ月にかかった医療費が一定金額(自己負担限度額)を超えた場合、高額療養費制度により後日超えた金額が還付されます。自己負担限度額は年齢や収入によって決まっており、住民税非課税世帯では一般の所得区分の世帯よりも低くなっています。
70歳未満の住民税非課税世帯の自己負担限度額は3万5400円(外来+入院の合算)が上限で、75歳以上の方が加入する「後期高齢者医療制度」では、1万5000円または2万6400円(外来+入院の合算※世帯単位)が上限です。
2.4 介護サービスを利用した際の減額
介護サービスの利用では、要介護度や年収などにより1ヵ月に利用できる上限額が決められています。限度額内において利用した分は1割〜3割を自己負担する必要がありますが、住民税非課税世帯は1割負担で済みます。
また、限度額を超えた分は全額を自己負担しなければなりませんが、住民税非課税世帯では1ヵ月の上限が2万4600円に制限されています。
2.5 臨時給付金の給付
国や自治体から、住民税非課税世帯に対して給付金が支給されることがあります。2025年には、住民税非課税世帯に対し1世帯当たり3万円と子ども1人につき2万円追加の給付が行われています。
給付状況は自治体により異なるため、詳しくはお住いの自治体の窓口で確認しましょう。
3. まとめにかえて
世帯全員が住民税非課税である世帯を「住民税非課税世帯」といい、該当すると給付金や補助金など、さまざまな支援を受けられます。具体的には、国民年金保険料や国民健康保険料の減免、医療費負担の軽減、臨時給付金の給付などです。
自動的に優遇が受けられる制度もありますが、自分で申請しなければならない制度もあるため、詳細は自治体の各窓口で相談してください。
参考資料
- 東京都主税局「個人住民税|暮らしと税金」
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」
- 全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき」
- 厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担)割合について」
- 厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」
木内 菜穂子