ますます勢いづく個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)。最近では加入者が100万人を超えたと話題になっていましたね。そんな中、始めたいけれどまだよくわからないことが多くて手が出せない、という人もいるのではないでしょうか。
確かに、そもそもiDeCoをなぜ始めなければならないかと言われても、うまく答えられない人も多いはず。そこで今回は、iDeCoにまつわる「そもそも」の疑問について考えてみましょう。
なぜ今、私たちはiDeCoに加入すべきなのか
そもそも、私たちはなぜ今、iDeCoに加入すべきなのでしょうか。iDeCoに加入する必要はない、と思う人もいるかもしれませんが、それは今の時点で老後資金のアテがあって、これ以上自分で老後資金を準備する必要がない人でしょう。しかし、もしあなたがまだ自分の老後資金は十分でないと考えている場合はiDeCoに加入すべきであると言えます。
iDeCoは簡単に言ってしまえば、投資信託などに投資して得た利益に税金がかからないし、掛金を拠出するときも掛金が全額所得控除になるし、給付金を受け取るときも税制優遇が受けられるという制度。税金を節約しながらお金をふやせるのですから加入しない理由はありません。
たまに、専業主婦はiDeCoに加入する必要はないと言う人がいますが、掛金の拠出時の所得控除が受けられないだけで加入する意味がないわけではありません。サラリーマンなどのほうがおトクだというだけで、専業主婦が加入しなくていい理由にはなりませんよね。
さて、私たちはなぜiDeCoに加入すべきなのでしょうか。先述した税制面のおトクを活用しない手はないというのも理由の一つです。もう一つの理由として、公的年金の不安定さがあげられます。
今後ますます高齢化が進み、財政的にも厳しくなる一方の日本で、公的年金の受給開始年齢の引き上げや受給額の減額というのは大いにありえる事態です。そのとき、自分はどうするでしょうか。公的年金だけに頼っていたら、ハシゴを外されたような状況に陥ってしまいますよね。「これからまだまだ先は長いのにお金が全然足りない!」ということになってしまいます。
それを避けるには、やはり少しでも多く自分でつくれる老後資金を増やしておく必要があるのです。その選択肢として、税制優遇があり、60歳まで原則引き出し不可という条件があるiDeCoは最適解なのではないでしょうか。
iDeCoだけで老後資金は足りる?
そう言われるとさらにギモンになるのが、iDeCoだけで老後資金は足りるのかということ。率直に言えば、iDeCoだけでは老後資金は足りることはないでしょう。毎月2万円を22歳から60歳までの38年間、リターン2%で積み立て続けたとしても1300万円程度です。リターンが4%あったとしても2100万円です。
これで老後資金が足りるのかと言われれば足りません。仮に60歳から80歳までの20年、毎月27万円で暮らしたとすると6480万円かかるのですから。公的年金がその半分をまかなってくれたとしてもかなり無理のある内容です。となると、やはりiDeCoだけで老後資金をカバーするのは難しいということになります。iDeCoの他にも預貯金などできちんと用意する必要がありますよね。