バブル崩壊後に社会人となった「就職氷河期世代」は、正社員に就けなかったり、希望の仕事に就けなかったりと就職活動で苦しい思いをした人も多いです。また、給与面でも満足の行く待遇で採用されなかった人もいるでしょう。
そんな就職氷河期世代も、もうすぐ老後生活を迎える年代です。ただし、ゆとりのある老後生活を送るには十分な貯蓄がない世帯も多くあります。では、今から老後を迎える65歳までにあと1000万円を貯めることは可能なのでしょうか。
本記事では、就職氷河期世代の50歳代がNISA積立投資で65歳までにあと1000万円を用意できるのかシミュレーションします。
1. 就職氷河期世代の貯蓄はいくらあるのか
1000万円を貯めるシミュレーションの前に、まず現在の就職氷河期世代がどのくらい貯蓄があるのかを確認します。
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」によると、50歳代二人以上世帯の貯蓄額は以下の通りです。
1.1 50歳代二人以上世帯世帯の金融資産保有額
- 非保有:29.2%
- 100万円未満:8.7%
- 100~200万円未満:5.9%
- 200~300万円未満:5.1%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:3.2%
- 500~700万円未満:6.3%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:7.6%
- 1500~2000万円未満:3.8%
- 2000~3000万円未満:6.3%
- 3000万円以上:10.7%
- 無回答:3.8%
- 平均値:1168万円
- 中央値:250万円
貯蓄額の中央値は250万円となっていて、多くの世帯では十分な貯蓄があるとは言えません。さらに、貯蓄がゼロの世帯も29.2%もいます。今から老後に向けて、貯蓄を増やす必要のある世帯が多いです。