2. 65歳までにあと1000万円貯めるには毎月いくらのNISA積立投資が必要か

では、50歳代世帯が今から65歳まで1000万円をNISA積立投資で用意することはできるのでしょうか。

50歳から65歳を迎える前の15年間で、年率3%で積立投資を続けた場合にいくら資産を築けるのか毎月の積立金額別にシミュレーションします。シミュレーションの結果は以下のとおりです。

50歳から積立投資した場合の65歳到達時点での資産額

50歳から積立投資した場合の65歳到達時点での資産額

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」を基に筆者作成

2.1 15年間で築ける資産額

毎月の積立投資額 必要な毎月の積立金額

  • 月2万円 454万円(360万円)
  • 月3万円 681万円(540万円)
  • 月4万円 908万円(720万円)
  • 月5万円 1135万円(900万円)
  • 月6万円 1362万円(1080万円)

※運用利回り年率3%でシミュレーション

月5万円の積立投資を15年間続ければ、1000万円以上の資産を築くことが可能です。また、月6万円の積立投資をすれば、1362万円もの資産を用意できます。

もちろん簡単な金額ではないですが、50歳代は子どもが独立したり給与が高くなるタイミングのため、世帯によっては月5万円以上を積立投資に回せる場合もあるでしょう。

もう50歳だからと諦めるのではなく、50歳からでも老後資金を用意することは十分可能なため、これから積立投資で資産形成を始めてみてください。

3. 65歳以降にもらえる年金額も確認

老後に向けて資産を増やす際に、意識したいのが年金です。老後は貯金以外に年金をもらえるため、年金がいくら受け取れるかで用意するべき老後資金は異なります。

会社員や公務員としての勤務経験がある厚生年金受給者は、勤務期間と平均年収によって受給額が決まる仕組みです。参考までに、以下の条件で年金受給額をシミュレーションしてみましょう。

  • 1973年生まれ
  • 23歳から65歳到達まで会社員として勤務
  • 65歳から年金受取を開始

シミュレーションの結果は以下のとおりです。

平均年収ごとの目安年金受給額

平均年収ごとの目安年金受給額

出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」を基に筆者作成

3.1 平均年収ごとの目安年金受給額(額面)

平均年収 年金受給額の目安(額面)

  • 200万円 月10万7000円
  • 300万円 月12万7000円
  • 400万円 月14万2000円
  • 500万円 月16万2000円
  • 600万円 月18万1000円
  • 700万円 月19万7000円
  • 800万円 月21万3000円
  • 900万円 月23万4000円

平均年収400万円の人は月14万2000円の年金をもらえます。また、平均年収900万円の人が受け取る年金は月23万4000円です。月23万4000円あれば、年金だけで暮らせる人もいるかもしれません。

ぜひ、上記を参考にして老後に必要な貯蓄額を計算してみてください。