総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)4月分」によれば、生鮮食品を除く総合指数の前年同月比は3.5%の上昇、費目別にみるとうるち米(コシヒカリを除く)98.6%、ルームエアコン 19.6%などと家計に関わる部分で増加しています。

農林水産省「スーパーでの販売数量・価格の推移(5月26日)」によれば、全国約1000店舗のスーパーにおける米の販売価格は令和7年5月12日の週は4285円/5Kgで前週比+0.4%となっています。

お米の価格の先行きは不透明ですが、家計へ直結しますから不安を抱える方も多いでしょう。

特に老後年金生活となると、自身の年金収入と貯蓄などでこのような物価高にも対応していくことになります。

十分な貯蓄がないと不安を感じますが、老後にまとまった貯蓄を用意するのも簡単ではありません。

今回は高齢単身世帯に視点をあてて、その生活費や年金、貯蓄がをみていきます。

1. 65歳以上の高齢単身世帯の年齢構成は?男女別でみる

まずは高齢単身世帯について詳しく見ていきましょう。

厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」より、65歳以上のものがいる世帯のうち高齢者世帯の世帯構造をみると、高齢者世帯で単身は全体の51.6%でした。

高齢者世帯の半数以上がひとりで過ごしていることがわかります。

単身世帯の男女の内訳は、以下のとおりです。

  • 男性:35.6%
  • 女性:64.4%

単身世帯は女性のほうが多いですが、これは平均寿命の長さが影響しているのではないかと考えられます。

また、単身世帯を年齢別に確認すると、男性は70代前半が最も大きな割合を占めていました。

  • 65~69歳:25.1%
  • 70~74歳:27.7%
  • 75~59歳:19.5%
  • 80~84歳:13.7%
  • 85歳以上:13.9%

一方女性は、85歳以上が最も大きな割合を占めています。

  • 65~69歳:13.8%
  • 70~74歳:20.3%
  • 75~59歳:20.4%
  • 80~84歳:20.6%
  • 85歳以上:24.9%

考えておきたいのが、離別、死別などで誰しもひとりになる可能性があることです。

2. おひとりさまの月の生活費はいくら?年金は平均でどれくらいもらえるの?

では、65歳以上単身世帯の生活費はどれくらいなのでしょうか?

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」より、主な収入源となる年金の受給額とあわせてチェックしていきましょう。

内訳は、以下のとおりです。

2.1 月の収入

収入:13万4116円(うち社会保障給付12万1629円)

2.2 月の支出

  • 消費支出:14万9286円
    • うち食料:4万2085円
    • うち住居:1万2693円
    • うち光熱・水道:1万4490円
    • うち家具・家具用品:6596円
    • うち被服及び履物:3385円
    • うち保健医療:8640円
    • うち交通・通信:1万4935円
    • うちその他:3万956円
  • 非消費支出:1万2647円

支出合計16万1933円

月の収支:▲2万7817円

支出合計は16万円台となっています。

こちらの統計では年金収入が12万円台、また月の赤字が約3万円近くとなっています。

公的年金の平均年金月額は公的年金で5万円台、厚生年金の場合は14万円台です。厚生年金の平均であっても、老後のひとり暮らしの生活費では赤字になるとわかります。

また上記の調査では住居費が1万円程度になっていますが、1万円で住める賃貸はなかなか見つかりませんよね。

賃貸に住む場合は、もう少し住居費が大きくなることが予想されます。

2.3 年金額は毎年度変わる。2025年度の年金額は1.9%増額

なお、年金額は毎年度改定されます。

2025年度の年金額は、厚生労働省の「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」で例が公開されています。

2.4 2025年度の年金額

  • 国民年金(1人分):6万9308円
  • 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):23万2784円

2024年度の年金額は、国民年金6万8000円、厚生年金22万8372円でした。

差額は以下のとおりです。

  • 国民年金:+1308円
  • 厚生年金:+4412円

前年度に比べて増額となっていますが、マクロ経済スライドの調整により実質的に目減りであり全てはまかないきれず、物価高には基本的に自身で対応する必要があります。

3. おひとりさまの老後に向けて貯蓄を上手に増やす方法は?

年金額が多いと感じるかどうかは人それぞれですが、急な支出に備えるためにも貯蓄はある程度用意しておく必要があります。

しかし、金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」によれば、60歳代および70歳代で貯蓄ゼロの世帯もあります。

  • 60歳代:全体の27.7%
  • 70歳代:全体の27.0%

貯蓄ゼロで老後を迎えたくないのであれば、上手に貯蓄を増やしましょう。

以下のステップで進めてみてください。

  1. 老後の収支とその赤字や、他に必要な老後資金を出し、貯蓄額の目標を決める
  2. 支出を減らす
  3. 収入を増やす

なお、貯蓄を増やすためには毎月給与が出たら貯蓄をして残りで生活する「先取り貯金」が老後資金の準備には向いています。

また、余裕がある人は貯蓄を効率よく増やせる資産運用も検討するとよいでしょう。

ただし、資産運用にはリスクがあり、貯蓄を減らしてしまう可能性があります。

そのため、取り組むのであればまずは情報収集からはじめてみてはいかがでしょうか。

参考資料