年度が変わり、地方公務員の採用試験も続々と始まっています。警察職は比較的試験が早いタイミングで実施され、今後教員の採用試験や地方自治体職員の試験などが始まっていく見込みです。
地方公務員は、地方の公的機関で働く公務員を指します。なかでも比較的身近なのが「教育職」や「警察職」です。どちらも自治体職員のような一般行政職とは異なる業務をしていますが、給与金額はどのようになっているのでしょうか。
この記事では、教育職や警察職の平均給与月額について、他業種・都道府県などさまざまな観点から比較しながら紹介していきます。
1. 教育職・警察職の給与比較
小学校・中学校教育職、高校教育職、警察職に分けて、平均の給与月額を比較します。総務省の「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によれば、結果は以下のとおりです。
小・中学校教育職
- 平均給料月額:35万3632円
- 諸手当:5万8333円
- 平均給与月額:41万1965円
高等学校教育職
- 平均給料月額:37万300円
- 諸手当:6万2841円
- 平均給与月額:43万3141円
警察職
- 平均給料月額:33万4004円
- 諸手当:14万1871円
- 平均給与月額:47万5875円
(参考)一般行政職
- 平均給料月額:31万7951円
- 諸手当:8万4810円
- 平均給与月額:40万2761円
教育職・警察職ともに40万円台の給与を受け取っています。最も高いのは警察職の47万5875円です。一般職も40万円台に乗っていますが、教育職とは約1万円〜3万円、警察職とは7万円ほどの差があります。
教育職は警察職に比べて基本給が高くなっています。一方、手当額は小・中学校教育職が5万8333円、高等学校教育職が6万2841円と警察職に比べると少ないです。
教育職では部活動手当などの特殊勤務手当や赴任地域によって受け取れる地域手当、へき地手当といった手当を受け取れます。しかし、一般行政職の諸手当額の平均が8万4810円ですから、手当の手薄さは否めません。
警察職は基本給こそ低めですが、手当が充実しています。警察職は犯罪の予防や捜査、鑑識、爆発物処理など特殊勤務の種類が非常に多いです。このほかの手当も充実しており、主な地方公務員の職種のなかでもトップクラスの手厚さとなっています。
1.1 特殊勤務手当を比較
教育職・警察職どちらも特殊な勤務の際には特殊勤務手当が受け取れます。教育職では災害対応や修学旅行・大会の引率などで手当が支給されます。警察職では前述のとおり犯罪予防活動や捜査といった業務が手当の支給対象です。
職員1人あたりの手当支給額と、10年間での手当額の推移を見てみましょう。
小・中学校教育職
- 職員1人あたりの特殊勤務手当額:2665円
- 2014年時点と比較した支給額推移:△288円
高等学校教育職
- 職員1人あたりの特殊勤務手当額:4586円
- 2014年時点と比較した支給額推移:△244円
警察職
- 職員1人あたりの特殊勤務手当額:7834円
- 2014年時点と比較した支給額推移:△1171円
1人あたりの特殊勤務手当額は教育職が5000円以下、警察職は7000円以上となっています。しかし、2014年時点の金額からはどの職種も減っており、警察職は1000円以上減少しています。
次章では、地域別で教育職・警察職の給与を見てみましょう。