3. 年金に関するよくある誤解とその真実
老後の生活設計を考えるうえで欠かせない公的年金制度。しかし、その内容にはさまざまな誤解がつきものです。ここでは、特に多い3つの誤解について、正しい情報を整理します。
3.1 「40年納めれば満額」が意味するもの
国民年金は40年間保険料を納めれば満額(2025年度は月額6万9308円)受け取れます。
ただしこれはあくまで基礎年金の話で、厚生年金には「満額」という概念はなく、収入と加入期間に応じて受給額が決まります。
3.2 専業主婦(夫)も年金をもらえる
「自分は年金に加入していないから将来もらえない」という声を耳にしますが、配偶者が厚生年金に加入していれば、専業主婦(第3号被保険者)として保険料免除のまま老齢基礎年金を受け取れる仕組みになっています。
3.3 保険料免除期間も無駄ではない
経済的理由で保険料を全額免除された場合でも、その期間は年金額の1/2として加算されます。追納制度もあり、将来の年金を増やす選択肢も残されています。
正しい知識をもとに、年金制度を上手に活用することが老後の備えには欠かせません。
4. 将来、自分が年金をどのくらい受けとれるのかチェックしてみよう!
本記事では、老後に受け取る年金の平均額や厚生年金の受給状況について、詳しく取り上げました。
「厚生年金=高額」とイメージされることもありますが、実際は加入期間や給与水準によって、受給額が月10万円に満たないケースも珍しくありません。
まだ自分の年金見込み額を確認していない方は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で早めに確認しておくことをおすすめします。
もし将来の受給額が想定よりも少ない場合には、現役時代から取り組める対策も存在します。早いうちから準備を進めることで、より安心した老後を迎えることができるでしょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「年金を受けとるために必要な期間が10年になりました」
- 日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 全国国民年金基金「国民年金基金制度とは?」
- 日本年金機構「付加保険料とは、どのようなものですか。」
マネー編集部年金班