5. 年金を増やす方法は?

生命保険文化センターの調査によると、老後の生活に対し、約8割の方が「不安感がある」と回答しており、そのうち「公的年金だけでは不十分と感じる」と回答した方は79.4%にのぼります。

たしかに、国民年金と厚生年金の平均受給額を見ると不安を感じる方も多いかもしれません。年金額を増やしたい方は、何らかの方法を早めに考えておく必要があるでしょう。

年金を受け取っている方が年金を増やすことは難しいのですが、まだ年金を受け取っていない現役世代の方は下記の方法を検討してみることをおすすめします。

  • 年金の繰下げ受給
  • 年金の任意加入
  • 付加年金
  • 国民年金基金
  • iDeCoやNISA
  • 可能な限り働く など

厚生年金に加入している方は、体力や気力が続くのであれば、できるだけ長く働いて収入を得ることを検討してみましょう。

仕事をしている間は収入が得られるだけでなく、生活のために大きく貯蓄を取り崩す機会も少なくなります。厚生年金は70歳まで加入できるので、長く働いて保険料を納めれば、年金額のアップも見込めます。

年金の繰下げ受給には賛否がありますが、受け取り方法の選択肢が増えることは悪いことではありません。

一方、国民年金の被保険者の方は国民年金基金や付加年金への加入を検討してみましょう。とくに付加年金は、月々400円の負担で「200円×付加保険料納付月数」が年金に上乗せされるお得な制度です。

iDeCoやNISAも将来の資産形成を目的とした制度です。昨今の株価の下落で影響を受けている方も多いとは思いますが、長期・分散投資の意義を再確認してみましょう。焦らずコツコツと投資を続けることが将来の資産形成につながります。

もしポートフォリオが米国に偏っているなら、今は見直しのチャンスかもしれません。欧州株ファンドや債券ファンドなどにも目を向けて、安定したパフォーマンスが期待できるポートフォリオを検討してみるのも一案です。

6. 将来の年金額は「ねんきん定期便」などで確認を

今回の記事では、60歳代、70歳代、80歳代の国民年金と厚生年金の平均月額についてお伝えしました。

将来の年金額は、ねんきんネットやねんきん定期便で調べることができます。具体的な年金額がわかるので、老後の生活をシミュレーションするときにも役立ちます。

自分の老後生活はどうなるのか、シミュレーションをおこなえば必要な生活費も計算できます。シミュレーションをしたことが無い方は、一度計算してみることをおすすめします。

参考資料