高齢者を狙う詐欺や犯罪に巻き込まれないように、年金支給日に合わせ、警察官がシニアに声掛けをしている場面やニュースを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
年金支給日に合わせて防犯キャンペーンが行われたりするのは、年金=シニアというイメージがあるからかもしれませんね。
たしかに、年金はシニアの生活に欠かせないお金です。当面の生活費となる大切なお金ですから、しっかりと計画を立てて使っていきたいものです。
そこで今回の記事では、60歳代、70歳代、80歳代の国民年金と厚生年金の平均月額についてお伝えします。現代のシニアが受け取っている年金額を確認して、老後の生活費について考えてみましょう。
1. 次の年金支給日は6月13日!2025年4月分と5月分が受け取れる
年金は2カ月に一度支給されます。支給日は偶数月(2、4、6、8、10、12月)の15日ですが、15日が土日祝日の場合は、直前の平日に支給されます。6月は15日が日曜日なので、次回の年金支給日は6月13日になります。
支給される年金額は2カ月分で、前月と前々月分が受け取れます。6月に受け取るのは「2025年4月分と2025年5月分」になります。
2. 2025年度の年金額は前年度より上昇、実質は減少
2025年度に支給される年金は、前年度より1.9%引き上げられます。どれくらい増えるのか、2025年度の年金額のモデルケースで、確認してみましょう。
- 国民年金(老齢基礎年金((満額):1人分)):6万9308円 ※前年度より1308円プラス
- 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):23万2784円 ※前年度より4412円プラス
年金額が1.9%引き上げられるのは、2025年4月分からです。したがって、増額された年金が受け取れるのは、前章でも述べたとおり、6月からになります。
年金額は物価上昇率や名目手取り賃金変動率を用いて改定されますが、マクロ経済スライドによる調整がおこなわれているため、物価や賃金が変動した率より改定率が低く抑えられています。
この措置は年金財政を健全に維持し、世代間の公平を図るためですが、年金の伸びが物価上昇に追いつかないので、年金額は実質的に目減りしていると言えます。