厚生年金受給額は、現役時代の年収や厚生年金加入期間などにより決まるため、一人ひとり異なります。自分はどのくらい受給できるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は基礎年金と合わせて月額約14万6000円です。

15万円に満たない状況となっていますが、月額20万円以上を受給している人はどのくらいいるのでしょうか。

本記事では、厚生年金を月額20万円以上受給している人の割合や、受給額を増やすための方法などについて解説していきます。

1. 厚生年金を月20万円以上受け取っているのは6人に1人

厚生年金を基礎年金と合わせて月20万円以上受給している人の割合1/2

厚生年金を基礎年金と合わせて月20万円以上受給している人の割合

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を元に筆者作成

厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金を基礎年金と合わせて月20万円以上受給している方の割合は約16.3%です。およそ6人に1人が該当することになります。

また、男女別に見ると、男性が24.0%で女性が1.3%という結果です。男性は4人に1人が該当するのに対し、女性はわずか1.3%という少人数にとどまっています。

厚生年金受給額は、主に現役時代の年収や厚生年金加入期間によって決まり、年収が高いほど、また、加入期間が長いほど受給額が高額になるのが一般的です。

女性は、出産や育児、介護などで休職や退職をするケースがあり、男性よりも年収が低く加入期間が短い傾向があるため、厚生年金受給額が少なくなると考えられます。

2. 厚生年金受給額ごとの割合を一覧表でチェック

厚生年金受給額は、年収や加入期間などにより決まるため、一人ひとり異なります。では、ほかの人はどのくらい受給しているのか、金額ごとの人数を確認していきましょう。

厚生年金保険:年金月額階級ごとの年金受給権者数2/2

厚生年金保険:年金月額階級ごとの年金受給権者数

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

  • 1万円未満:4万4420人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4367人
  • 2万円以上~3万円未満:5万231人
  • 3万円以上~4万円未満:9万2746人
  • 4万円以上~5万円未満:9万8464人
  • 5万円以上~6万円未満:13万6190人
  • 6万円以上~7万円未満:37万5940人
  • 7万円以上~8万円未満:63万7624人
  • 8万円以上~9万円未満:87万3828人
  • 9万円以上~10万円未満:107万9767人
  • 10万円以上~11万円未満:112万6181人
  • 11万円以上~12万円未満:105万4333人
  • 12万円以上~13万円未満:95万7855人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3629人
  • 14万円以上~15万円未満:94万5907人
  • 15万円以上~16万円未満:98万6257人
  • 16万円以上~17万円未満:102万6399人
  • 17万円以上~18万円未満:105万3851人
  • 18万円以上~19万円未満:102万2699人
  • 19万円以上~20万円未満:93万6884人
  • 20万円以上~21万円未満:80万1770人
  • 21万円以上~22万円未満:62万6732人
  • 22万円以上~23万円未満:43万6137人
  • 23万円以上~24万円未満:28万6572人
  • 24万円以上~25万円未満:18万9132人
  • 25万円以上~26万円未満:11万9942人
  • 26万円以上~27万円未満:7万1648人
  • 27万円以上~28万円未満:4万268人
  • 28万円以上~29万円未満:2万1012人
  • 29万円以上~30万円未満:9652人
  • 30万円以上~:1万4292人

このように、受給額は1万円未満の方から30万円以上の方まで広く分布しています。

上表では、「9万円以上12万円未満」と「16万円以上19万円未満」の2ヵ所にピークが見られます。女性の平均受給額が10万7200円、男性が16万6606円であることから、「9万円以上12万円未満」は女性が多く、「16万円以上19万円未満」は男性が多く該当していると考えられます。

3. 厚生年金受給額を増やす方法

公的年金は老後の生活費の柱となるものであるため、受給額は少しでも多くしたいものです。そこで、厚生年金の受給額を増やす方法を3つご紹介します。

3.1 定年後も厚生年金保険に加入して働く

厚生年金は原則として70歳まで加入可能なため、定年退職した後も厚生年金保険に加入して働き続けると、受給額を増やすことが可能です。

ただし、厚生年金を受給しながら働く場合、年金の基本月額と総報酬月額相当額※が51万円(令和7年度)を超えると、「在職老齢年金」により年金の一部または全額が支給停止になることに注意が必要です。

※月収(標準報酬月額)に、直近1年間に受け取った賞与を12で割った金額を足したもの

3.2 国民年金の未納分を追納する

厚生年金受給額には国民年金の分も含まれています。国民年金を満額受給するには保険料を40年間(480ヵ月)払い込む必要があり、未納がある場合はその分が減額されます。

国民年金保険料に未納分がある場合は、免除や猶予の手続きを取ってあれば10年以内に追納することが可能です。手続きを取っていない場合は、2年以内であれば追納できます。

ねんきんネットや毎年誕生月に送付されるねんきん定期便などで、納付状況を確認してみましょう。

3.3 繰下げ受給をする

厚生年金は原則として65歳から支給開始となりますが、繰下げ受給の手続きをすることで66歳から75歳までの間に繰下げることが可能です。

1ヵ月繰下げるごとに0.7%が増額されるため、たとえば70歳まで繰下げた場合、42%増額した額を受給できます。なお、増額率は一生涯変わりません。

65歳以降も働く場合で、給与で生活費をカバーできる状態であれば、繰下げ受給を選択するのもひとつの方法です。

4. まとめにかえて

厚生年金を月額20万円以上受給している方の割合は、全体で16.3%です。男性は24.0%とされており、意外と多いと感じる方もいるかもしれませんが、女性はわずか1.3%とごく少数に限られています。

厚生年金を増やすには、70歳まで厚生年金に加入しながら働いたり、繰下げ受給をしたりするなどの方法があります。健康状態や経済的な事情などを考慮し、無理のない範囲で増額することを検討すると良いでしょう。

参考資料