2025年6月13日は公的年金の支給日です。
少子高齢化が進む中、年金への不安の声は高まる一方です。
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」より、シニア世帯の総所得の平均内訳を見てみましょう。
- 公的年金・恩給:62.9%
- 財産所得:4.6%
- 年金以外の社会保障給付金:0.8%
- 仕送り・企業年金・個人年金などの所得:5.6%
- 稼働所得:26.1%
上記のとおり、公的年金以外に働いて収入を得たり、金融資産や不動産などの運用から収入を得たりしている世帯が4割近くを占めています。
「年金だけで生活できないのか」それとも「ゆとりある生活を送るためなのか」はわかりませんが、現代のシニア世帯は年金収入だけで生活していないのが”ふつう”といえます。
そもそも、毎月「国民年金」や「厚生年金(基礎年金を含む)」をどのくらい受けとっているのでしょうか。
本記事で詳しく確認していきます。
1. 老後に受け取る年金は「国民年金のみ」または「国民年金+厚生年金」
日本の年金制度は、よく「2階建て」と表現されます。
これは、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と、2階部分にあたる「厚生年金」の2つの制度で構成されているためです。
それぞれの年金制度について、基本的な内容を振り返ってみましょう。
1.1 1階部分:国民年金の「加入者・保険料・年金額」
加入対象者はどんな人?
- 原則として日本に住む20歳から60歳未満の全員が加入
年金保険料はいくら?
- 全員一律、年度ごとに改定あり(※1)
老後の受給額はどう決まる?
- 保険料を全期間(480カ月)納付すれば満額の老齢基礎年金を受給可能(※2)
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
1.2 2階部分:厚生年金の「加入者・保険料・年金額」
加入対象者はどんな人?
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たした場合に国民年金に上乗せで加入
年金保険料はいくら?
- 収入に応じて(上限あり)変動(※4)
老後の受給額はどう決まる?
- 加入期間や納めた保険料により個人差あり
国民年金と厚生年金は、加入対象や年金保険料の設定、老後に受け取る年金額の計算方法が異なります。
そのため、現役時代の年金加入状況によって、実際の受給額には個人差が生じます。
次に、厚生労働省が発表した2025年度の年金額改定について詳しく見ていきましょう。
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。